トランプ大統領でアメリカはロシアの属国に?

キーパーソンはロシア

 最後に、トランプ大統領で今後がどうなるのか、トランプ氏が大統領になる、もしくはトランプ氏を評価していた人たちの言葉を集める。
 彼らの言葉に共通するのが「ロシアの存在感が大きくなる」だ。

 ロシア政治が専門の政治学者、中村逸郎氏によると、トランプ氏の事業パートナーにはロシア系が多く、ビジネスのつながりは深いという。
 ロシアは北朝鮮と軍事同盟を結びたいという考えがあり、ロシアの仲立ちでアメリカと北朝鮮も友好的な関係を築く。それがロシアの狙いだ。


ロシアのプーチン大統領/Getty Images
 アメリカは北朝鮮に対し経済制裁を発令するなど厳しい態度で臨んでいるが、ロシアの考えでは、北朝鮮が核を放棄するためには、現在北朝鮮が保有している核については認め、友好的な関係を築いたうえで、後々破棄してもらうのがよい。
 この分野に関して、ロシアは主導権を握りたい、そのためにアメリカともよい関係を築き、アメリカに対し恩を売っておきたい、中村氏によるとそう考えているという(中村氏は「アメリカはロシアの属国になる」とまで言う)。

 元外交官の佐藤優氏は語っている。「英語圏にのみ触れていると、ロシアの動きについてはわからない。ロシア語圏に触れていると、世界の動きがよくわかる」

 日本は一体どう動くのか? ヒラリー氏とは事前に会っていた安倍首相だが、トランプ氏との対談は行っていなかった。
 しかし、その後の安倍首相とトランプ氏の対談を17日に行うとしており、そのスピーディーさからして、何らかの根回しや事前の準備は済んでいたと考えられる。
 
 日本はアメリカとの新たな関係構築を進めるとともに、ロシアとも新たなつながりを目指す。特にトランプ政権では在日米軍がいなくなる可能性もある。そうなると中国の動きをけん制する上で日本のメリットになるのは、ロシアの存在だ。

「トランプ氏が大統領に就任することは、日米安保の根本的な見直しにつながる。それまで日本がアメリカの力に頼らず国を守ることを目指すと、アメリカはその動きをことごとくつぶしてきた。
 今回は今までと異なり、アメリカの側が自分たちで国を守れと言ってくることになる。そうなると、日本も考えて手を打っていかなければならない」
 トランプ氏の勝利を予言した木村太郎氏の言葉だ。アメリカが新たな立ち位置を模索することは、日本の新たな道を探ることでもある。

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