ふるさと納税の魅力を味わうための“駆け込み”寄附HOW TO

ふるさと納税で地域の活性化、復興支援

 今年は熊本、鳥取、東北と、大きな地震の続いた年だった。被災地支援の方法としても、ふるさと納税は大いに力を発揮した。

 日本赤十字などの出自がはっきりしている寄附先も、義援金が実際に被災地に届くまでにはどうしてもタイムラグが生じてしまう。その点ふるさと納税は、振り込みをすれば即座に、クレジットカード決済でも1カ月程度で被災地のもとに寄附金が届く。

 ふるさと納税は寄附金の使途を寄附者が指定することができるため、「被災地の復興のために自由に使ってください」と指定すれば、被災地にとって制約のない使用が可能なお金となる。

 災害時の寄附については、被災地の状況を考慮し、基本的にはお礼の品はなく、あくまでも復興・復旧のためのふるさと納税となる。


ふるさと納税で平戸市に導入されたバス
 実際にふるさと納税は、地方創生に大いに役立っている。

 2014年の寄附金額日本一だった長崎県平戸市では、民間のバス事業所では採算が取れないとバスの路線撤退が続いており、市営によるバス運行(ふれあいバス)を行っていたが、委託先の事業所のバスが古く、高齢者が利用しづらい状況にあった。

 そこで、ふるさと納税を活用し、バスを3台購入し委託業者に利用してもらい、高齢者などを中心に市民の大切な移動手段として重宝されている。


 ほかにも医療費の助成、小中学校の教師用タブレット・モニターなど教育のためのツールが導入された。これも、通常の財源であれば地区ごとなどに段階的に導入するしかなく、そこに地域差が生まれていたが、ふるさと納税で大きな財源を確保することができたため、一括で導入することができたという。

 平戸市が集めたふるさと納税の寄附金額は、約26億円。平戸市の市税収入が約26億円なので、同額を集めたことになる。


静岡県 南伊豆町 伊勢海老セット
 ほかにも、ふるさと納税のお礼の品として開発したものが、好評だったため一般販売することにしたというケースもある。

 ありふれていて地元の人には見向きもされていなかったものが、お礼の品にしたところ申込みが殺到し、特産品の再発見にもつながっている。

 地方の小さな自治体は、何をしようにも行政依存なところがある。
 ふるさと納税で寄附が集まる、自分たちの創意工夫が結果につながるとわかり、お上ではなく自分たちでやっていこうという意識に変わる。都会からの評価が町や村の活気、自信、誇りにつながっていくのだ。

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