富裕層の所得税率はいくらになるのか?

 富裕層を始め、稼ぎの多い人が気になる「税金」。そのうちでもっとも大きな額になるのが、所得税だ。
 一体どのくらい所得税を納める必要があるのか? しっかり把握しておこう。
 ビジネスの取引であれば当事者間の合意のもとで支払いを猶予してもらったりといったこともできるが、税金の支払いは基本的に待ってくれない。支払いが遅れると延滞税などの罰金を科されるほか、申告に漏れがあると「脱税を企てた」のようなイメージがつくこともあり、大きなマイナスだ。
 資金繰りのうえで大きな要素となる税金について、しっかり考えていきたい。

1.所得税率は何%なのか?

 所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から45%の7段階(平成19年分から平成26年分までは5%から40%の6段階)に区分されている。
 課税される所得金額(1000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額)に対する所得税の金額は、次の速算表を使用すると簡単に求めることが可能だ。


国税庁の情報をもとに、ゆかしメディア編集部が作成

 例えば「課税される所得金額」が700万円の場合、税額の計算式は以下だ。

所得金額700万円×税率0.23-控除額63万6000円=97万4000円
※平成25年から平成49年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)をあわせて申告・納付することとなる。

 平成19年分から平成26年分までは、次の表で求める。


国税庁の情報をもとに、ゆかしメディア編集部が作成

2.所得税の最高税率は何%か?

 先述の表にあるとおり、所得税は最高で45%となる。
 日本は累進課税制度を採用している故、所得が多くなるほど税率も高くなる。最初の図のように、平成26年までは最高税率が40%だったが、現在は45%に上げられた。

 日本は現在税収不足のため、「取れるところから取る」形になっている。稼ぎの少ない人からも均等な割合で少ない額の税金を納めてもらうよりも、稼ぎの多い人が支払う額を増やす形だ。

 その目安は、所得が700万円を超えるかどうかだとされる。700万円より低いと所得税額は減少し、700万円を超えると所得税額は増加しているのだ。
 現在、高所得者への課税はどんどん強化されている。低所得者への減税策や、国際競争力を高めるための法人税減税などが多々行われた結果、高所得者への負担が大きくなった。

 その結果、税収全体における高額所得者の割合は大きくなり、日経新聞の記事によると、日本の人口比率で言うと0.2%しかいない年収2500万円以上の人たちが、税収全体のうち16.8%を占める額を払っている。
 年収1000万円を超える給与所得者は、給与所得者4757.3万人のうち4.1%に過ぎないが、税金の負担割合は49.1%に及ぶのだ。


日本経済新聞の記事より

 タレントの松本人志氏は、かつて「タレントの高額所得を取り上げる前に高額納税者だと知れ。。。」と発言した。
 かつて国税庁から公表されていた高額納税者のデータによると、最終発表となった2005年度分の松本氏の納税額は1億738万円。ここから推定される収入額は約3億円くらいではないかと見られる。また、これまでの納税額の累計では、明らかに数十億円を納めていると予想される。
 高額納税者番付は犯罪利用の懸念、個人情報の保護などの観点から、2006年度(2005年度分)に廃止されている。 

「(税金として)50%も持っていってるんですよ。だから、お金もらうと半分で考えるクセがついていて、さすがに税金がこれ以上になると、勤労意欲がなくなっていくやろうね」 
 松本氏は、そのような考え方も示した。

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