ウォーレン・バフェット氏が「ヘッジファンドの報酬は高すぎる」と言ったとされることについて、著名ヘッジファンドマネジャーのレオン・クーパーマン氏が「億万長者の投資家たちはインデックス投資だけで金持ちになれたのか?」と反論している。
クーパーマン氏は、著名投資家の成功にはアクティブ投資が欠かせなかったと語っている。
とはいえ、ヘッジファンドを取り巻く状況は芳しくない。
ヘッジファンドからの2016年の資金流出額は2月末時点で607億ドル(約6兆7000億円)と、08年度の4269億ドル(47兆4000億円)以来の大きさに膨らんでいると、日経新聞が報じている。
インデックス投資は、ヘッジファンドから巨額の資金流出があったことから最近人気で、市場に従う形での運用をし、ヘッジファンドのようなアクティブ投資と異なり、プロのファンドマネジャーを必要としない。
多くの市場関係者が、ヘッジファンドが現在厳しい局面化にあるのは間違いないと認めている現状に対し、クーパーマン氏は過去にヘッジファンドが運用成績を大きく伸ばした直前は低調なパフォーマンスを記録していた事例に触れ、今がいわば大きく飛躍する前にしゃがみこんでいる時期、大きな長い流れの中の苦しいときであることは歴史が証明していると主張する。
ヘッジファンドは市場に関係なく収益を上げることを目指す絶対収益型の金融商品とはいえ、全体の運用成績が市場に満たないこともある。
成績が市場以下になっているときは、運用資金がほかの好調な金融商品に多く移り、全体の資金ベースが縮小することは当然だとクーパーマンは言う。
「マネーは、もっともよく扱ってくれるところに集まるものさ。そして1つ言えるのは、ヘッジファンドマネジャーは高い運用成績を上げていない限り、高い成功報酬を受け取ることはできないということだ」
クーパーマン氏は、「ヘッジファンドが高価な資産運用であり、市場全体が苦しいときに高い手数料を払う人が減っていることは疑う余地がない」と述べた。
話を冒頭のバフェット氏に戻すと、バフェット氏もヘッジファンドを全面的に否定しているわけではない。手数料が高いにも関わらず運用成績が悪いファンドが多すぎることを問題視しているのであり、「(自身が経営する)バークシャー・ハサウェイに大きな利益をもたらしてさえくれるのであれば、喜んで巨額の手数料を払う」と語っている。
クーパーマン氏のオメガアドバイザーは、3月31日現在、約36億ドルの運用資産を有していた。