話題にもならなくなったプレミアムフライデー

 政府の「働き方改革」の一環で2月24日から始められている「プレミアムフライデー」1回目は物珍しさや、政府の意向に従っていることをアピールする必要のある経団連加盟企業などが協力姿勢を見せたことにより、それなりの注目を集めた。


 だが開始前から、プレミアムフライデーには懐疑的な声が多かった。
「月末は月で一番忙しいとき。そんな日に休んでいる暇がどこにあるのか」
 実際に、「とても早くなど上がれない」ところがほとんどで、会社命令で強制的に退社を促された企業ばかりだった。
 退社命令を下した会社も目的は「政府に対するポイント稼ぎ」で、あと数時間を働いてほしいのが本音だろう。

 プレミアムフライデーが導入された結果、社員は全員帰宅、派遣社員だけ残って仕事を続ける会社もあるという。
 派遣社員には適用されないのか、といった声もあがっていたが、派遣社員は時間での勤務となっているため、切り上げさせられるほうが稼ぎが減って困る。プレミアムフライデーで早上がりした分の給与は支払われないと言われた派遣社員もいるそうだ。

 時期も悪かった。
 第2回プレミアムフライデーが実施された最終金曜日は、3月31日となった。その日は月末だけでなく年度末という会社も多く、月どころか1年でもっとも忙しい日、プレミアムフライデーの話題はまったく盛り上がらなかった。

 2月はもともと営業日数が少なく、3月、4月は金曜日が平日の最終日で「月末最終日がうしろにあればまだしも、当日では早く帰っている場合ではない」となり、プレミアムフライデーは極めてタイミングが悪い。

 それを見越してか、会社のポジション上プレミアムフライデーに協力はしたいが、年度末の月末では日が悪すぎることから、独自のプレミアムフライデーを設けた会社もあった。月末、月初を避けて3月中旬の金曜日を早上がりにする形だ。

 その結果何が起きたか? 電話口から「本日はプレミアムフライデーで業務を終了しています」という自動音声が流れ、「聞いていない!」と対応に追われる会社が多々あった。

 4月28日のプレミアムフライデーイベントは、「428(シブヤ)の日」と銘打って、シブヤ大掃除パーティーが開催された。
「プレミアムフライデーは、シブヤの街で大掃除! 自分でキレイにした街なら、金曜午後が、いつもよりもっと楽しくなる」
 と銘打たれたが、月末の最後の営業を終え、数字を集計すべく渋谷の会社に急ぎ戻るビジネスパーソンは渋谷ハチ公像前広場でのイベントの様子を一瞥し「会社の仕事を早く終えて掃除の仕事をする人がいたら会ってみたい」と吐き捨てるように言った。

 ホワイトカラーの労働時間を短くすることに対して、飲食店やサービス業の労働時間が長くなるのではないかという指摘も多くなされていた。
 働き方改革と称して、人手不足の業界にしわ寄せがくるという声だ。

「飲食店やサービス業の現場でメインに働いている結婚適齢期の人をさらに忙しくして、政府は少子化を進めたいのだとしか思えない」
 現場からは、そんな手厳しい声もあがっていた。

「ホワイト企業」として知られているある会社は、プレミアムフライデーを導入していないという。なぜかというと「1日だけ無理やり早く帰るより、毎日定時で帰れるようにすることが大事」

 開始3カ月で本格的に手詰まり感のあるプレミアムフライデーだが、今後はどのように行われていくのか。

プレミアムフライデーを定着させるためには?

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