宮崎駿氏の方が作家としては上?
「鉄腕アトム」「鉄人28号」などは、言わずと知れたロボットものだ。だが、あまりメジャーなジャンルではなかった。富野氏が選んだのはなぜか? あまり誰もやりたがらなかったということで、まだまだ開発の余地が大きかったのだという。
「巨大ロボットものの専門家の道を選んだのは、オリジナルストーリーを作ることができるからです。生活費をもらいながらストーリーを作る練習を毎日できるという魅力的な職場です。必ずしもこのジャンルが好きで来ているわけではないんです」
ロボットのジャンルで30年もの間、第一線で活躍し、そして、ガンダムはいまだにヒットし続ける。どんなストーリーも描ける、という自負も持っている。だが、同世代の宮崎駿氏には、勝てないと思っているようだ。
「オスカーを獲った彼は作家です。僕は作家ではないということなのか、これは能力の差としか言いようがないですね。宮崎駿のようになれないのだから」
しかし、富野氏は日本を代表するアニメ監督として、今年のロカルノ映画祭では名誉豹賞を受賞。海外でも大きな評価を得た。どちらが上ということは断言できない。それは、ファンそれぞれが決めることだから。