高岡壮一郎(あゆみトラスト・ホールディングス代表) × 藤巻健史(参議院議員)特別対談「富裕層の資産保全とは?」

カリスマディーラーがカリスマ国会議員に大変身。歯に衣を着せぬ発言が健在なフジマキ氏には、富裕層を中心にファンが急増している。

そんな藤巻氏と富裕層向けにフィンテック事業を行う「あゆみトラスト グループ」創業者の高岡壮一郎 代表取締役社長との対談が実現した。富裕層の資産はこれからどうなるのか?

藤巻健史(ふじまき・たけし)氏プロフィール

1950年東京生まれ。1974年に一橋大学卒業後三井信託銀行に入社し、留学などを経て1985年に退職。その後モルガン銀行東京支店長、モルガン時代は会長より「伝説のトレーダー」の称号を送られる。退職後投資家として活動。その他に一橋大学、早稲田大学大学院等の非常勤講師も務める。

2013年6月10日に日本維新の会より第23回参議院議員通常選挙比例代表での出馬を表明。当選を果たした。
現在は参議院議員、参議院財政金融委員会委員、国民のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会委員、政府開発援助等に関する特別委員、東洋学園大学理事。

高岡壮一郎氏(あゆみトラスト・ホールディングス社長)との対談を行った参議院議員・藤巻健史氏。元カリスマディーラーという異色の経歴をもつ。

高岡壮一郎(たかおか・そういちろう)氏プロフィール

高岡壮一郎(たかおか・そういちろう)
大阪府立北野高校・東京大学を卒業後、三井物産株式会社に入社。2005年、あゆみトラスト グループ(旧アブラハム グループ)を起業。金融資産1億円以上限定のオンライン・プライベートクラブ YUCASEE(ゆかし)を運営(会員資産1兆円以上で国内最大規模)。香港で証券会社を新規設立する等、グローバル金融に関する豊富な知見を有する。世界10万本のファンドDBを活用したフィンテック企業として注目されるヘッジファンドダイレクト株式会社の代表取締役社長を務める。「金融×IT」のフィンテック領域にて18年の経験を有し、ロイター・ウェルスマネジメント・サミット、日経BP金融ITイノベーションフォーラム等に登壇。
著書に『富裕層のNo.1投資戦略』(総合法令出版、2017年2月発売)

目次

ハイパーインフレと超円安の可能性

国債バブルは必ず弾ける

高岡壮一郎(以下、高岡):藤巻さんの著書などを拝見すると、「今後、日本の財政が破たんし、ハイパーインフレが起きる」とのことですが、その理由を教えてください。

藤巻健史(以下、藤巻):今の日本の累積赤字額は対GDP比で213%と、世界でも突出しています。200%を超える水準は、太平洋戦争の末期と同じです。太平洋戦争末期は軍事費を賄うために国債が大量発行されて、それを日銀が買っておカネがばら撒かれましたが、その結果、ハイパーインフレが起き、戦時国債は紙切れになりました。

1946年に預金封鎖と新円切り替えが行われた
のはご存じのとおりです。

高岡:現代でも、預金封鎖の可能性はありますか?

藤巻:おカネがジャブジャブになれば、再び同じような現象が起きる可能性が高いでしょう。もし今が、太平洋戦争末期と同じような状態であるならば、やはり警戒は必要です。今の日本は平穏に感じられるかもしれませんが、実は〝おでき〟がどんどん大きくなっている状態。これに絆創膏を貼り付けてなんとか破裂しないようにしている状況で、この国債バブルとも言える状態が弾けるのは近いと思っています。

ハイパーインフレと超円安について熱く語る藤巻健史氏。手前は聞き手・高岡壮一郎氏。ヘッジファンドダイレクトやゆかしウェルスメディア等を有するあゆみトラストグループを率いる高岡氏も、自身が経営する富裕層向け金融事業を通じて市場環境の変化を感じ取っている。

高岡:まだ国債バブルが弾けないのはなぜでしょうか?

藤巻:今の国債市場にはバブルの兆候があるのに、なぜ平穏な状態が保たれているのか? これは2つの誤解があるからです。

1つには日本国民の間にある「日銀がいつまでも国債を買い続けられるだろう」という誤解です。もう1つは、外国人の間にある「政府には徴税権があるから財政破たんなど起こらない」という誤解です。

この2つの誤解によってなんとなく平穏な雰囲気が維持されていますが、両者とも単なる誤解に過ぎません。その誤解が明確になる日が近づいています。

今の国債相場は日銀の買いでもっている

高岡:財政破たんは起きないという声も根強くありますが。

藤巻:麻生財務大臣が、「なぜこんなに国債を大量発行しているのに、長期金利が低位に維持されているのか、経済学者は誰も解明できない。昔の経済学では解明できないことが起きている」などとおっしゃっているが、これは単なる理解不足。答えは簡単で、それは

「日本銀行が国債を買っているから」

です。外国人の「政府には徴税権があるから財政破たんなど起こらない」という見方も、消費税をあと2%上げるだけで一大議論が起きたことを考えれば、増税で今の巨額の累積債務を解消するなど夢物語でしょう。

高岡:日銀が国債を買えなくなると危険ですね。

藤巻:異次元の量的金融緩和はマスコミも識者も、世の中をおカネでジャブジャブにしているという方でしか捉えていませんが、より重要なのは、その反対サイドで日銀が国債を買っていることの方なのです。

異次元の金融緩和のメリットはおカネをジャブジャブにしていることではなくて、財政破たんを先延ばしにしていることです。

日銀がもし国債を買っていなかったら、すでに2014年に、財政は破たんしていたでしょう。

財政破たんを先延ばしにするということは、バブルが破裂したときのショックをより激しくするということです。ですから、私は決して破たんの先延ばしをメリットだとは思っていません。財政破たんを先延ばしにすることで解決策が見えてくるのならそれはメリットと言えるでしょう。しかし、その方法を誰も見出していない状態で破たんを先延ばしするということは、単に破裂を大きくするだけに過ぎません。

異次元の金融緩和については、みなさんは日銀がマネタリーベースを135兆円から270兆円まで増やすこと、さらに2014年10月31日に追加緩和を決定したことによって、2015年末には355兆円まで増やすことだと理解していますが、実はそうではありません。

一番のポイントは、2013年3月末の段階で約90兆円保有していた長期国債を、2014年の暮れまでに190兆円まで増やすと宣言したことです。
たった1年9カ月の間に約100兆円分も買うと約束したことで、日本の財政は破たんしなかったのです。

国内の銀行が保有する国債の残高は、2013年3月末に167兆円だったものが、2014年の2月には132兆円と、1年間で35兆円も減っています。そのうちの31兆円が大手銀行での減少額で、これまでお得意様だったメガバンクは国債を売り越しているのです。その分を誰かが買ってくれないと国債は消化できないわけですが、それを買ってくれたのが日銀だったのです。


日銀の次は誰が国債を買うのか?

高岡:日銀が国債を買わなくなる日が来たら・・・

藤巻:2014年の12月で黒田日銀総裁の異次元の量的緩和は、期日を迎えるはずでした。かつ黒田総裁は「政策の逐次投入はしない」と明言していた。

2013年4月に打ち出した政策は、いわゆる〝バズーカ砲〟です。

では、2014年12月に日銀が国債買い入れを停止したら、その後はどうなるのか? 2015年もおそらく40数兆円の赤字予算が組まれますが、誰がこの分をファイナンスしてくれるのでしょうか?

市場がこのような不安を感じ始めていたまさにその時、黒田日銀は動きました。
2014年10月31日、日銀は長期国債の買い入れ額を、年50兆円から80兆円へと拡大したのです。異次元の量的緩和の第二ステージです。第一弾ではマネタリーベースを270兆円まで増やすとしましたが、2015年末には355兆円にまで増えることになりました。

ただし、この増額した国債買い入れ分も、いつかは使い果たしてしまいます。そのあとは、誰が国債を買うのでしょう? その時までに単年度予算を黒字化していれば別です。赤字ということは借金がさらに膨らむということだから、誰かが買い増してくれなければいけない。日銀が買ってくれなければ、誰が買ってくれるの? という話になってくるわけです。

そこでまた日銀が買わないというと国債は暴落するし、円安、株安のトリプル安になるし、国におカネがないから、年金も払えません。国の施設は全部、営業停止です。
それでは困るので、日銀はさらに第三弾を打ち出して国債を買うでしょう。しかし問題は「日銀はいつまで異次元の量的緩和を続けられるの?」という話です。

日銀はねずみ講?

高岡:日銀がいつまでも国債を買えるわけがないので、論理的には、最後には限界が来るということですね。

藤巻:結局、日銀が今のようにどんどん長期国債を買い続けるということは、日銀の資産が増え続けることを意味します。バランスシートというのは資産と負債が一致しているからバランスシートというわけで、当座預金と発行銀行券という負債も同時に増えていきます。これはどこかの段階で〝マネタイゼーション〟と看做されてしまうでしょう。

そうすると外国人が日本国債を先物で売ってきます。日本人ですら円を信用しなくなるかもしれません。そうなるとハイパーインフレになります。

高岡:日銀が今のように長期国債を買うことの論理的な帰結として、ハイパーインフレになるのですね。

藤巻:意図したものか意図せざるものかわかりませんが、アベノミクスというのは、明らかにハイパーインフレを作る手段でしかありません。こうなると日銀がやっていることはねずみ講と同じです。
国民的規模のねずみ講と同じで、日本人の資産がすべてそのねずみ講に入るまで「信用して下さい」と言い続けるしかない。でも、このねずみ講はどこかで破たんします。

高岡:ねずみ講が破たんして、信用が失われると・・・

藤巻:日銀の資産が無限大に大きくなる途中のどこかで、円の価値は暴落して行き詰まるでしょう。
第二弾まではよいとしても、第三弾、第四弾がすんなりと認められるわけがなくて、日銀が行き詰まるのはそんなに遠い先のことではありません。日本国民は「日銀はいつまでも国債を買い続けられる」と思っているのでしょうが、それが明らかに無理なことは歴史が証明しています。おカネをジャブジャブにするのは、極めて危険な政策なのです。

高岡:たしかにドイツやロシアでハイパーインフレが起こりました。

藤巻:ある学者は「ハイパーインフレの気配があれば金利を上げればいいじゃないか」と言いましたが、量的金融緩和をやって金利が上がるわけがない。金利を上げるということは日銀が命令したり、法律で決めたりしてできることではありません。金利は誘導するものです。誘導というのは需給が均衡していないとできないのです。

おカネをジャブジャブにするのは簡単でも、回収するのはむずかしい。これは1923年のドイツの事例を見ても明らかで、戦争が起きなくてもハイパーインフレは起きます。
日本は今、社会保障のためにおカネをばら撒いて、これと同じことをしているのです。のんびりしている場合ではありません。日本経済の破たんは近いのに、異次元の量的緩和で少し先延ばししているだけなのです。

日本経済への破たんに備えるために米ドルへの投資を

高岡:そのような事態に備えるために、著書で米ドルの買いを勧めているのはなぜですか?

藤巻:保険を買うときは、普通は強い保険会社を選ぶでしょう。では世界経済で今、一番強い国はどこかというと、軍事的にも政治的にも経済的にも米国です。
昔はよく米国は「双子の赤字」だから危ないと言われていましたが、米国の財政収支は今、急速に改善しています。シェールガス革命のおかげで、貿易収支も改善しています。私は近い将来、米国は「双子の黒字」になると思っています。

その一方、日本は「双子の赤字」で、経常収支も赤字になりそうで、財政赤字は世界でもダントツで悪い。
仮に財政破たんがなくたって、普通に考えれば円安ドル高が進行するでしょう。

日本経済は破綻すると本当はわかっていても言えない人たち

高岡:ハイパーインフレシナリオが外れるとしたら、どういう時でしょうか? 日本の景気が本当によくなるしかないのでしょうか? 官僚や政治家は「ほかに生き延びるシナリオ」があると思っていているのではないでしょうか?

藤巻:彼らも本当は、ほかにシナリオはないと思っているのではないでしょうか。ただ彼らが「日本経済はもう終わりです」と発言することはできません。発言すればそれこそ終わりです。官僚はわかっていてもそれを言えない。
政治家の中にはわかっていないから言わない人もいますが……。日銀OB、財務省OBも、古巣に気を使ってそれを言うことができません。

私だって総理大臣になったら、そんなことは言えませんよ。今は、一野党の政治家だから言えるのであって、責任ある立場で自分が政策を遂行する立場に立ったら言えません。日本経済の破たんはもう不可避だから、私は政治家として、そのショックをマイルドにすることと、破たん後に新しい日本を作ること、破たんを不幸中の幸いに変えるのが仕事だと思っています。

社会主義国家・日本を変える契機に

高岡:日本の財政破たん後を見据えて、国会議員になられたと。

藤巻:今は1945年の太平洋戦争末期、敗戦の一カ月前のようなものです。
いくら陸軍大将が「アメリカに勝っている」と言ってもそれは詭弁。今はいかにうまく終戦にもっていくかが大事です。財政破たんをしても日本が無くなるわけではないですから、戦後に軍事国家日本から民主国家日本に変わったように、これから変わることができるわけです。

日本は幸か不幸か、明治維新と太平洋戦争敗戦という大きなイベントをきっかけに変わってきました。だからこれから起きる危機を不幸中の幸いにするというのは、そういうチャンスに日本の国の姿をすべて変えることです。
私はこれまでの日本は典型的な社会主義国家だから、競争原理と自助努力を貫徹する資本主義国家に変わるべきだと思っています。

今のしがらみだらけの日本で、しかも保守的な国民が多い中で、「日本を資本主義に変えましょう。公助に頼らず、結果平等はやめて機会平等にして、もっと競争原理を貫徹しましょう」と言っても変わるわけがありません。

ましてや2014年度の予算で言うと、税収・税外収入が55兆円しかないのに96兆円使おうとしている。それを当たり前だと思っていたら、「社会主義国家でいいじゃないか」と感じてしまう。「日本は格差のないいい国だ」という話になってしまう。

それは、旦那が550万円しか稼いでこないのに、妻が960万円使っているのと同じで、こんな居心地のいい家はないと勘違いしているのと同じです。でも、そんなことがいつまでも続くわけがありません。生活レベルを半分に落とさないともたないのが道理なのです。もっと競争社会になって、機会平等にして自助努力で960万円を稼いでくるか、あるいは格差平等で550万円を分け合って、みんなで等しく貧しくなるのか、選択の決断を迫られる時期がすぐ近くに来ているのです。

高岡:アベノミクスの成長戦略はどうご覧になられていますか?

藤巻:アベノミクスは三本の矢と言いますが、第二の矢である財政出動など効くわけがありません。効かなかったから名目GDPが20年間伸びずに、1000兆円を超える借金を抱えてしまったのです。

第三の矢なんていうのは1986年に前川レポートが出た後、何百本、何千本の矢が打たれましたが、1つも当たっていないのに、今回だけ当たるわけがない。私は政府主導の経済成長なんてありえないと思っています。

「金持ち優遇」と批判されようと、相続税はなくすべき

藤巻:唯一、成長戦略として効力があるとすれば、それは相続税を廃止することでしょう。
これを言うと「金持ち優遇だ」と皆さんからバッシングを受けるのですが、なぜ日本だけ相続税を増税しているのか考えなければいけません。ほかの国々は減税しているし、どんどん相続税をなくしています。相続税は社会主義体制の最たるものです。ほかの国は贈与税をなくすために相続税をなくしているという面もあります。
贈与税が一切なければ、親は子供にどんどんおカネを使います。家も建ててあげるしクルマも買ってあげる。高齢者から若い人におカネが流れて景気が良くなると思います。

相続税がある限り贈与税はなくせません。なぜかというと、贈与税は相続税の補完税で脱税防止のための税制だからです。だから贈与税をなくすために相続税をなくすべき、というのが私の主張なのですが、これは残念ながらなかなか賛同してくれる人がいません。

高岡:日本には富裕層が180万人いますが、その人たちが賛同してもその主張は通らないでしょうか?

藤巻:180万人全員が私に投票してくれれば話は別かもしれませんが(笑)。そんなに私に投票してくれる人はいないでしょう。

破たんしても必ず復活するのが市場原理

高岡:藤巻さんの主張が受け入れられているという実感はありますか?

藤巻:まだまだですね。「フジマキの言うことは過激だ!」という〝アンチ・フジマキ派〟も多い(笑)。まぁ、全員が賛成してくれるようになったら一流ではないと自分を慰めていますけどね。もちろんわかる人はわかっています。数字を分析しているインテリ層はわかっているし、昔、預金封鎖とかを体験されたかなりお歳が上の方は実感としてわかっています。
ただし、一般的にはわかっていない人の方が多いでしょう。

本当はもっと若い人たちがわかるといいなと思うのは、財政が破たんしても日本は決して終わりではないからです。5年もすれば超円安で日本は大復活するでしょう。そのときにまた同じ社会主義国家ができてしまったらまただめになるので、私たちがしっかりとした資本主義国家を作らなければいけないのです。

日本経済が復活することを理解してくれれば、日本が破たんしたときに自暴自棄にならずに済むわけです。戦争のときと同じで、国家が将来的にどういうシナリオを描いていくのかがわからないと、自暴自棄になってしまいます。時間はかかるかもしれませんが、必ずや復活するのが市場原理なのです。

対談を終えての、高岡氏と藤巻氏のツーショット。

(右)日本維新の会所属の参議院議員 藤巻健史氏
(左)あゆみトラスト・ホールディングス株式会社代表取締役 高岡壮一郎氏

【藤巻氏の主張のポイント】

・日本経済が抱える最大のリスクは、長期金利の上昇
・長期金利が国を揺るがす可能性があるのは、国の借金が1025兆円(2014年3月末)と巨額になってしまったから
・1025兆円の借金が大変なのは、金利が上昇すると支払い金利額が急増して、財政が耐えられなくなるから
・現在、日本経済は安定して穏やかに毎日が過ぎているように思えるが、それは異常な低金利が続いているから
・国の借金は毎年、約40兆円ずつ増えているので、誰かがその新たな借金分の国債を買い〝増し〟してくれなければならない
・新しい国債が大量発行されても、金融機関が大量に買ってくれていたので、この数十年間、国債市場はもった
・しかし民間金融機関も財政破たんを怖れ、大手銀行を中心に国債保有高を減らし始めた
・誰かが40兆円分の国債を買い〝増し〟してくれなければならないのに、民間銀行は35兆円も減らしてきた(2013年3月末~2014年2月末)
・新規分の40兆円を買い〝増し〟しているのは誰か? それは日本銀行であり、毎月売り出される10年国債の約7割を日銀が買い取っている
・日銀が際限なくマネタリーベースの増額を約束し続ければ、〝ねずみ講〟と同じになり、最後に必ずや〝ねずみ講〟は破たんする
・日銀が国債購入中止の時期を後にずらせばずらすほど、財政破たんの衝撃は大きくなる
・日銀が長期国債の買い手の地位を降りれば、その後は誰が国債を買い〝増し〟してくれるのか? 買い〝増し〟してくれる人がいなくなれば、国債マーケットでは値段が暴落(金利が暴騰)し、国の金利支払いに疑義が出る
・そうなれば、国債を大量保有している日銀が発行している紙幣を誰も信用しなくなり、円は暴落し、株も大暴落するトリプル安になる
・日本には巨大な資産もある、純負債額はそう大きくないという反論もあるが、会社などでも倒産する多くのケースは「資金繰り倒産」であり、国にどんなに資産があっても財政は破たんする
・円が暴落すればハイパーインフレ(短期間で物価が数倍、数十倍に騰貴するようなインフレ)となり、円資産の価値は急落する
・ハイパーインフレとは、債権者から債務者への富の移転であり、国民の犠牲の上に国家財政が助かる究極の手段
・これからの数年間は、大金持ちが貧乏に、低所得者が大金持ちになる『貧富下剋上』の時代になる
・インフレが加速すれば、長期金利はさらに上昇し(日銀保有の資産価値の減少)、円もさらに下落、円と国債のスパイラル的な暴落が始まり、株式マーケットも暴落する
・ハイパーインフレの被害から逃れるためには、海外に資産を逃さなくてはならない
・資産を防衛するには「双子の黒字」が予想される世界最強の米ドルがいい

※本記事は、2015年1月に海外投資新聞に掲載された内容を編集したものです。

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