「もっとも成功したヘッジファンドマネジャーの1人」といわれるスティーブ・コーエン氏。フォーブスが発表した資産総額は130億ドル、世界の長者番付で92位、ヘッジファンドマネジャーでは4位に入っている。
現在は表立っての活動はしていないが、実はものすごい復活劇をもくろんでいるということが、事情を知る人から届いている。
コーエン氏は2013年にインサイダー取引に関与したとして、彼の設立したヘッジファンド、SACアドバイザーズに対して罰金と2年間の投資の禁止を命じる判決が下された。
その際、コーエン氏自身はいかなる罪にも問われることはなかったが、外部顧客の資金を運用することは2018年まで禁止され、現在は、自身の資産をファミリーオフィスで運用するのみの形をとっている。
表舞台からは退場したが、ファンは多く、コーエン氏の投資に対する姿勢を評価する投資家は今もたくさんいる。
また、彼自身は今このときを、絶好の準備期間ととらえているのかもしれない。
ビジネスインサイダーが報じたところによると、ニューヨークの新興ヘッジファンド、ライト・スカイ・マクロにコーエン氏は投資。同ヘッジファンドにはダニエル・ローブ氏など著名ヘッジファンドマネジャーも投資している。
同ファンドは期待に応える好調なスタートを切った。
そして、コーエン氏は、自身のファミリーオフィス、ポイント72アセット・マネジメントが運用している資産110億ドルに加えて、さらに100億ドル近くを外部投資家から集め、来年にヘッジファンドを再開する計画を立てていることを、事情に詳しい関係者が明らかにした。
その総額は200億ドル(約2兆2200億円)前後となり、実現すれば、ヘッジファンドの運用開始として過去最大規模になる。
それだけの資産を築いてきたコーエン氏のキャリアのなかでも、最高となる運用金額だ。
沈黙を保ってきた男の復活は、近そうだ。