すみだ北斎美術館が開館1周年

 昨年オープンしたすみだ北斎美術館。1年間で来場者数は36万人を記録するなど上々のスタートとなった。

 江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎が墨田区に住んでいたことから、墨田区は「北斎の街」を売り出し、両国駅からすみだ北斎美術館に向かう道は「北斎通り」と名付けられた。

 開館1周年となる11月21日より、「開館一周年記念 めでたい北斎~まるっとまるごと福づくし~」が開催される。
江戸時代の趣味人たちには、新年に「摺物」と呼ばれる版画を贈り合うならわしがあったため、北斎とその弟子たちも、神様をはじめとする多くの「めでたい図像」を描いている。



 すみだ北斎美術館は建物を世界的な建築家、妹島和世氏が設計したことでも話題となった。そして前衛的な構造の建物の宿命とも言えるのが「デザインを優先すると機能が犠牲になる」ことで、美術館としては展示スペースが広くない。

 北斎ファンからは「作品が少なくて物足りない」という声も聞かれる。ディープなファンからの評判が高いのは、北斎の肉筆画を多数展示する長野県小布施町の北斎館だ。広大なスペースで巨大な肉筆画の迫る北斎館に比べ、迫力が薄いのは否めない。

 規模も小さく、作品数は多くない同美術館だが、その点を逆手に取り、展示作品をすべて美術館が所有する北斎や関連する作家の作品にしている。
加えて、美術館内の市民が利用できる空間を多くし、展覧会以外の墨田区在住、在勤の人は期間限定で入場料を無料にするなど「区民のための建物」であることを売りにしている。


北斎漫画(所蔵:すみだ北斎美術館)

 ディスアドバンテージはあれども、両国というほかの観光地もあり、また江戸時代からの歴史のある町という地理的メリットを活かしたすみだ北斎美術館の今後に注目が集まる。

お正月の企画らしく オリジナルおみくじも設置されている

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