「富裕層向けカード」と言われるダイナースの顧客サービスとして利用できるダイナースクラブ銀座プレミアムラウンジが移転し、12月5日にオープンする。
移転といってもビルを1つ隣に移るのみで、場所はほぼ変わらない。
移転に伴う変更点として、席数をこれまでの2倍以上の70席にするほか、会員の利用できる会議室も整えられた。
利用できるのはダイナースのプレミアムカード会員と、銀座ダイナースクラブカード会員とその家族会員で、同伴者は有料で利用できる。
「日本で最初のクレジットカード」と謳っているダイナース(世界で初めて、ともいわれるが、それは諸説ある)。富裕層向けカードとされるものの、肝心の富裕層からの支持は下がる一方だ。
ダイナースのプレミアムとアメックスセンチュリオンの両方を保持する富裕層にゆかしメディアが取材したところ、「最近では三井住友トラストグループに入り、かつてのダイナースのよいところは全く残っていない。今のダイナースは、ことごとくポイントを外している」という、厳しい答えが返ってきた。
富裕層でない層にも調査したところ、「最近ダイナースに入ったら、すごくいいサービスがたくさんあって感激した」という声が寄せられた。
今のダイナースが、どのような客層を狙っているかがよくわかるエピソードだ。
ダイナースは「初年度年会費無料」と謳ったネット広告を多数打っており(アメックスも同様に打っているが)、非富裕層の会員を増やすことに注力していると考えられる。
非富裕層の会員が増えた結果どうなったか? 先の銀座プレミアムラウンジは、富裕層の顧客から「今までと客層が変わった」「いつ行っても混んでいる」といった感想が寄せられるようになり、ますます富裕層離れが進むことになってしまった。
新しくなる銀座ラウンジには、プレミアムカードの会員のみが利用できるエリアが増えている。それは、本来の顧客対策だろう。
銀座シックスのオープンなどで新たな街の顔を持つようになった銀座。ダイナースも新しい銀座の流れに取り残されずにいられるか。