2017年の投資市場を大いに賑わせた、ビットコインをはじめとする仮想通貨。
今年はどのような動きを見せるのか、引き続き注目を集めている。
2017年、1ビットコインあたりの価格は、最高で2万ドル近くまで上昇した。その後はそれを超える価格は出ていないものの、ジワジワと価格を上げていることも多い。
「ビットコインはバブル、じきに弾ける」という声はありながらも、言われていたような大暴落は起きることなく価格上昇を続け、現在に至っている。
そのような状況の仮想通貨市場において、1つ変化が見られる。それは仮想通貨の価格について「下落」の報道が目立つようになったことだ。
「ビットコインが下落 1万7200ドル前後」(2017年12月20日)、「ビットコインが下落1万4000ドル前後 12月上旬以来の安値」(2017年12月22日)、「ビットコインが下落、1万4500ドル前後」(2017年12月28日)、「ビットコインが小幅上昇 1万5250ドル前後」(2018年1月4日)、「ビットコインが下落 1万5000ドル前後」(2018年1月5日)、「ビットコインが下落 1万5200ドル前後」(2018年1月9日)など、日経新聞が年末年始でビットコインの価格について触れた記事で自動検索表示されたもので、7記事中6記事が「下落」となっている。
ただし注目すべきは、一度小幅上昇しただけならばトータルの価格は順に下がっているはずだが、そうなっていないことだ。1万7200ドル→1万4000ドル→1万4500ドル→1万5250ドル→1万5000ドル→1万5200ドルというように、いつの間にか上がっている箇所が複数ある。それはなぜか?
簡単に言えば、「今は上昇よりも下落のほうがニュースになる」からだ。「ビットコインはバブル」と思っている人は一定数おり、それらの人は「今の価格は上がりすぎ」と考えているため、価格が下がると「思っていた通りだった!」と反応する。だから記事になる。
そして、一度2万ドルを記録したあとで「1万8000ドルに上昇した」と言ってもニュースにはならない。
ここ最近のビットコイン価格は、上昇はゆっくりで、報道されるような下落をしたのちもジワジワと上げて下落前の価格に近づいていくため、ニュース性が低い。そのため上昇は記事になりにくい。なるとしたらば、それは2万ドルを大きく突破したときだろう。
「下落」というニュースだけでは物事の本質を見誤る。投資の世界ではなおのこと、周りが言っているからといって流されないようにすることが大切だ。