白ワインと和食の魚介料理が合わないワケ

 メルシャンが、「ワインと魚介の組み合わせで発生する生臭みに対する油脂の影響」を解明し、研究成果を9月2日より開催される「日本味と匂学会第43回大会」で発表することがわかった。

 ワインと料理の組み合わせは「マリアージュ」といわれ、ワインを楽しむための重要な要素。一般的に「白ワインに魚」「赤ワインに肉」の組み合わせが合うとされるが、そのメカニズムのすべては解明されていない。例えば、西洋ではワインと魚介料理の組み合わせは一般的に受け入れられている。しかし日本においては、ワインと魚介を合わせた時に、まれに口中で瞬時に生臭みを感じることがあり、魚介料理とワインの相性を提案する上での課題のひとつになっている。
 これには、洋食はオリーブオイルやバターが用いられているが、和食ではてんぷらやサラダ仕立てを除くと、油脂を加えるレシピがあまりないことも1つの要因と考えられている。メルシャンは、このことに着目して研究に取り組んだという。

 これまでの研究で、同社はワイン中の「鉄」が多いほど、生臭みが強くなることを確認した。今回の研究では、料理に用いられる油脂が、生臭みの感じ方に与える影響を解明するための試験を実施。具体的には、生臭みを発生しやすいホタテの干物と鉄を含有するモデルワインの組み合わせに、オリーブオイルを添加して、官能評価を実施した。その結果、油脂を魚介料理へ添加することで、生臭み成分の放散が抑制され、生臭みを感じなくなったという。つまり、今回の研究の結果は、ワイン中の「鉄」と魚介料理の組み合わせにおいて、生臭みがたとえ発生しても、油脂を用いる洋食の魚介料理では、その感じ方が抑えられることを示唆している。それに対して、油脂を用いない和食の魚介料理では、生臭みを強く感じてしまうことも示唆した。

 今回の研究により、「白ワインに魚」という組み合わせが、日本ではそのまま受け入れられないことを科学的に説明できる可能性が出てきた。また一方で、国産ぶどうを使った白ワインには「鉄」の含有量が少ないという調査報告もある。同社は今回の結果を踏まえ、和食と「甲州ワイン」をはじめとする国産ぶどうを使った白ワインとの相性の良さを解明する研究をさらに進めていくという。

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