コインチェック事件で終わる仮想通貨バブル

 580億円相当の仮想通貨「NEM」が流出したコインチェック社。金融庁による業務改善命令だけでなく、本格的な立ち入り検査が実施されることも決まった。

 にわかに「仮想通貨はやっぱり危ない」風潮が広がったが、流出により明らかになったのはコインチェック社のずさんな仮想通貨の管理体制にあったわけであり、管理さえしっかりしていれば、仮想通貨自体に問題があるわけではない。

 SBIホールディングスの社長、北尾吉孝氏はコインチェックの事件について、原因は「本当に初歩的な問題。まったくナンセンス」であると語り、「最も腹が立つのは、システムにお金をかけるべきところを、CMにばかりかけていたこと。こういう輩はカス中のカスだ」と手厳しく批判した。
「仮想通貨は新しい革命的なアイデアで、世界通貨という側面も持ち合わせている」と期待する北尾氏にとって、ずさんな管理で仮想通貨に危ないものというイメージがつくのは許せないことなのだろう。

 仮想通貨について「新興勢力が既得権を侵すから国がつぶしにかかっている」わけではない。
 むしろ、世界的に仮想通貨を規制しようという流れのなか、日本は仮想通貨に対し中立とも言えるスタンスだ。
 仮想通貨を購入している日本人の多さから、日本は世界の仮想通貨市場をけん引する存在とも言える。

「コインチェックも盗難を受けた被害者」という声もあり、その通りではあるが「客から預かったお金を盗まれた」ともし銀行が言ったならば、その銀行は管理責任を問われ、手厳しい措置が下されて然るべきだろう。

 繰り返しになるが、問題は「コインチェックの仮想通貨の管理がずさんだった」ただ1つだ。

 それでも「やはり仮想通貨は危ない」の風評が強まることは大いに予想される。
 コインチェックは被害者に返金すると声明を出しているが、仮に返金がされない、現在準備が進んでいるというコインチェックに対する集団訴訟などの結果、コインチェックの経営者が逮捕などとなれば、「仮想通貨=危ないもの」の傾向は拍車がかかると予想される。

 儲かりそうなものに群がる、投資の世界で言われる「イナゴ」は去る。その後に残るのは、本質を見ている人たちだ。

 世界の仮想通貨市場をけん引する日本の会社で起きた仮想通貨流出。
 今回の事件は、「バブル」と言われ続ける仮想通貨市場の健全化に向けた1つのきっかけになるかもしれない。

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