ユミカツラインターナショナルのファッションショーが、国宝の迎賓館赤坂離宮で行われた。
ユミカツラインターナショナルの社長であり、一般社団法人全日本ブライダル協会会長を務めるウェディングドレスデザイナーの桂由美氏は、ウェディングドレスのデザイナーをしながらも、和装が衰退していることに心を痛めていたという。
「和装、着物は世界各国の民族服のなかでももっとも優雅でアーティスティックでありながら、廃れている」現状を憂い、着物の技術を現代のファッションに採用した作品を、多々発表した。
葛飾北斎、伊藤若冲、鈴木其一など江戸時代の画家の作品を採り入れた作品が多々ランウェイを彩った。
浮世絵をモチーフに、伝統的な着物の工法でつくられたドレス
葛飾北斎の浮世絵を用いたデザイン
新作ウェディングドレス
迎賓館の装飾が、ショーに彩りを添える
全身にパールを用いたウェディングドレス。参考価格10万ユーロ
和服の婚礼衣装も新作が発表された
最後は新作がランウェイを埋め尽くし、ショーを彩った
会場となった迎賓館赤坂離宮は、明治42年(1909)に当時の一流建築家や美術工芸家が総力を挙げて建設したネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築で、そのような様式の建物は日本で唯一となる。
完全な宮殿建築でありながら、歴史あるヨーロッパの宮殿に比べはるかに新しい建物のため、暖房の通風孔などが整備されている。
また、西洋建築でありながら日本を感じられるつくりを目指し、ところどころに七宝など日本の伝統工芸をあしらっているほか、日本の刀剣などをデザインした装飾もある。
迎賓館でファッションショーが行われるのは史上初のことで、長年構想を温めていたという桂氏も夢が実現したと、興奮気味に語っていた。