ツーシグマは、アメリカに本拠地を構える大手ヘッジファンドだ。
日本に進出することを日経新聞の取材に対して明かしており、東京に拠点を2月中に構え、日本の投資家や金融機関との関係強化を目指すという。将来的には日系金融機関との提携や、投資の研究開発を手がける人材を雇うなども考えているとのことだ。
ツーシグマはAI(人工知能)やビッグデータを駆使して様々な金融商品に投資する。テクノロジーは、彼らの運用を支える根幹となるものであり、日々開発にしのぎを削っている。
AIを重視するツーシグマでは、面白い試みが行われている。テクノロジー向上のために、同社はAIコンペを毎年行っている。AIシステムのエンジニア同士が勝負する「TSカップ」が開催されているのだ。
2016年の対決種目は「エアーホッケー」エンジニアに対し、エアーホッケーをプレイするAIシステムの開発が命じられた。
決して遊びではない。この大会を行うことで、スタッフが最新テクノロジーを経験し、投資に活かすことをツーシグマは期待している。
「デスクを離れてクリエイティブになることで、多くのイノベーションは起こる」
ツーシグマの情報システム設計のトップ、マーク・ロス氏は大会の趣旨を語る。
「こういったアクティビティを通じて、スタッフは普段は使わないようなプログラミング言語も使うんだ」
大会の様子は、以下の動画より見ることができる。
本記事ではエンジニアと機械の対決シーンから再生の形にしているが、約5分の動画全体から、大会に、遊びに真剣な同社の社風が伝わってくる。
ツーシグマは「金融」「資産運用」の会社でイメージするところはまったく異なり、オフィスの雰囲気はグーグルなどシリコンバレーのそれに近い。
自由な発想でモノを考える環境が整えられている。
なお、大会は人間同士とAI同士の対戦がまず行われ、それぞれの勝者が決勝戦を行った。人間同士の対戦時は通常のエアーホッケーだが、機械との対戦時に、人間はヘッドセットを装着し、タッチスクリーンでパックを打つスマッシャーをコントロールする。
注目の勝敗は、AIに軍配が上がった。
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