不景気に苦しむイタリアは、資本を集めることに躍起になっており、富裕層の外国人の誘致に力を入れている。同国に居住する数億ユーロ単位の資産を持つ超富裕層の納税額を、所得水準に関係なく一律年10万ユーロとする措置を昨年より公表している。
その結果、実際にロシア、スイス、ノルウェー、アメリカなどの保有資産数億ユーロ超の超富裕層150人前後から問い合わせがあったと、イタリア経済財務省高官のファブリツィオ・パガーニ氏が明かしていると、ブルームバーグが報じた。
超富裕層のなかにはアートコレクターなどもいるという。
ポルトガルなどはすでにこのような税制面の優遇を始めており、超富裕層を呼び込むことに成功している。
「150という数字は初年度として優秀」とし、「ポルトガルの例などを見ても、この数字は飛躍的に伸びていくだろう」と、とパガーニ氏は語っている。
「富裕層の優遇」は、財政が苦しい国で始まりつつある政策だ。
世界的に、高額納税者である富裕層の囲い込みは厳しくなってきている。
課せられる税金の額は上がるばかりで、日本では現在、所得が4000万円を超えると所得税率は45%、さらに住民税が10%かかる。一定の稼ぎを超えると、半分以上が税金だ。
上記政策ではイタリアにて行うべき年間納税額は、10万ユーロ。2018年3月1日現在のレートで計算すると、約1300万円だ。イタリアに移住すれば、どんなに稼いでも税金は最大1300万円。
単純計算すると、年間の所得が3000万円以上ある人は、日本にいるよりもイタリアで暮らしたほうがよいことになる。
もちろん移動に伴う費用や生活にかかるコストはあるが、「税額を1300万円に抑えられるなら、イタリア移住は真剣に検討すべきではないか?」と思う方も多いのではないだろうか。
なお、海外移住に関して気をつけたいのは「海外居住の実態がある」と税理士にしっかり認められることだ。
「150日海外にいればいい」「1年の半分以上、183日海外にいれば大丈夫」といったことが言われるが、これは俗説とされ、「日本非居住者かどうかは生活実態などから総合的に判定される」という。
簡単に言ってしまえば、何日いようと、「税金逃れを目的に海外にいる」と税務署に判断されれば、日本非居住とは認められない。
昨今、高額納税者への監視は特に厳しい。イタリアで税優遇生活を送るならば、本当に今後もイタリアで暮らしていくつもりで、本腰を入れて行う必要がある。
なお、国税庁が目を光らせる「海外居住の実態」について、元々海外に住んでいる人であれば、簡単にクリアできる。
すでに海外を拠点にしている人であれば、この機会にイタリアに移住するのは、魅力的な選択肢かもしれない。