ヘッジファンドが米中貿易戦争で20%以上のリターン

米中の貿易戦争を背景に、特に原油市場で運用会社各社は難しい舵取りを迫られている。

米国によるイランへの経済制裁が実行され、11月にはエネルギー関連にもその対象が拡大することが見込まれているが、中国やロシアなどはイランとの取引を継続する姿勢を示している。めぼしいところでは中国石油天然気集団(CNPC)系の銀行がイラン中央銀行との取引を続ける姿勢を明らかにしており、関係者の視線を集めている。

仮に制裁に抵触するとドルの取引が出来なくなるが、同行は人民元やユーロでの決済で対応を予定しているとのことだ。各国の思惑が重なり合う中で繊細な交渉が継続しており、これによって原油市場における方向感が出づらくなっていることは間違いないと言えるだろう。

ナスダック社のアナリスト、Tamar Essner(タマル・エスナー)氏はBloombergのインタビューの中で「貿易戦争が回避される方向に向かう兆候はない」と話しており、これらの問題の長期化を見込んでいる。

実際に市場参加者の多くは同様の見立てのようで、多くのヘッジファンドは石油市場への投資を手控える傾向が強まっている。米国の先物取引委員会(CFTA)によると、ヘッジファンドの正味での原油保有ポジション(Non-Commercial Futures Positions)は8月月初に比べ1.87%減少し、2月6日にポジションのピークを迎えてから減少傾向にある(以下の図表参照)。


CFTCのデータをもとに、ゆかしメディア編集部が作成

また、エネルギー情報管理データの最新値によると直近の米国の原油輸出量は激しく上下するもみ合い相場の様相を呈している(以下の図表参照)。

CFTCのデータをもとに、ゆかしメディア編集部が作成

ただし、こういった状況の中でもリターンをあげているヘッジファンドは存在する。ヘッジファンド運用会社オスロ・アセット・マネジメントがその好例である。

同社はエネルギー株式に重点を置いた運用をしており、ハラルド・ジェームズオタハーグ最高経営責任者(CEO)は前述したような一連の動向によって「価格の歪みが大きくなっている」ことを指摘する。潜在的に買い、売りの両方で大きなリターンを目指すことができるとコメントしており、今後150~200%程の収益を見込んでいるようだ。景気循環産業であるエネルギー市場においてどちらか一方向だけではなく、ロング・ショートいずれでも収益機会があるシーンは珍しいとのこと。

実際に同ファンドは2018年7月までに23.3%程のリターンを記録しており、その実績で多くの専門家たちの関心を集めている。

多くの市場参加者、投資家にとっては難しい環境が続いているが、一流ヘッジファンドにとってはチャンスの場となっているようだ。今後の動きに注目していきたい。

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