著名ヘッジファンドが21世紀フォックス株式を買い増し

米中貿易摩擦、トルコリラショックなど個人投資家にとっては難しい環境の続く2018年。
資産運用のプロであるヘッジファンドマネジャーたちはどういった取引を行っているのだろうか。
米国証券取引委員会(US Securities & Exchange Commission)に提出された827件の運用ポジションに関する報告書にその答えが垣間見える。

2018年第2四半期に行われたBloombergの上記書類への調査によると、ヘッジファンド各社は21世紀フォックスへの投資を増加させている。

8月8日に発表された同社の2018年4~6月期決算は、純利益が前年同期比93%増の9億2000万ドル(約1020億円)となり、大幅な増益となっている。ヒーロー・コメディー映画『デッドプール』の最新作がヒットした映画事業や、サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会を放映したテレビ事業が好調だったことがその背景にあり、1株利益も特殊要因を除くと0.57ドルと、市場予想の0.54ドルを上回ることとなった。

4月2日には36.13ドル程だった21世紀フォックス社の株価も8月22日には45.35ドル程まで上昇し、ヘッジファンド各社が収益をあげたであろうことが見て取れる。

当該資料における、ヘッジファンド各社が保有量を増加させた主な企業については以下の通りとなっている。


単位USD・参照:U.S. Securities and Exchange Commission・Bloomberg

著名投資家ポール・シンガー氏の率いる著名運用会社エリオットマネジメントは、上記のようなポジション変遷を取った代表的なヘッジファンドだ。
ニューヨークに本拠地を置く同ファンドは第2四半期に21世紀フォックス、ソフトウェアベンダー大手のVMWareなどの株式を買い増したことを発表している。

エリオットは、ビリオネアであるポール・シンガー氏の自己資金を運用するファンドであるため、米国SECに提出した資料からの算出となるが、米国上場株から直近3年間で45%程のリターンを獲得していることからも、その手腕が見て取れるだろう。


参照:U.S. Securities and Exchange Commission・Bloomberg

来月で個人投資家の多くが痛手を被ったリーマンショックから10年の節目となるが、一流ヘッジファンドの成績には陰りがないようである。

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