有終の美を飾る女性の破綻債券ファンド・マネージャー

 ヘッジファンド大手Man社の破綻債券ファンドMan GLG European Distressed Fund は、比較的運用が難しいといわれている2018年も、10月までに年初来リターン11.8%と安定的な実績を上げている。


 Man GLG European Distressed Fund は、女性ファンド・マネージャーのGalia VelimukhametovaとそのチームがMan社を退社することになったため、現在はファンド償還に向けてポジションを減らしている途中である。

 Galia Velimukhametovaはヘッジファンドジャーナル紙の2013年ヘッジファンドの女性リーダー50人に選ばれたこともある有名ファンドマネージャーである。

 彼女はカザフスタンの最大都市アルマイト出身で、ロシアのモスクア大学で経済学を学んだ。その後ベアリングアセットマネジメント、ロスチャイルドアセットマネジメント、Jpモルガン、King Street Capital と破綻債券についての経歴を重ねた。
 
 Man GLG社では最初にマーケットニュートラルファンドの運用を経験した後に、Man GLG European Distressed Fundのファンド・マネージャーとしてチームを指揮し、2009年からの運用実績は平均リターン11.05 %、平均リスク9.56 %と見事な実績を残している。

 破綻債券ファンドでは難しい、資金の流出入があるオープンエンド型のヘッジファンドでありながら、安定した運用実績は彼女の確かな運用能力を示しているといえるだろう。

 チームごと会社を離れるということなので、また次の運用会社で活躍を期待できるかもしれない。

■破綻債券(ディストレス)ファンドとは

 財務状況が困難に陥っている企業に対して専門的に投資をするファンドのことである。米国でいうチャプター11(破産法第11条)、日本でいう民事再生法による再建企業や企業価値の向上を務めている企業等が対象となる。昔のような伝統的なハイイールド債のほか、担保付で変動金利のレバレッジドローン(バンクローン)や劣後債、買掛金などが投資対象となっているようだ。

 収益を上げるためには主にデットエクイティスワップ(債券と資本の交換のこと)のような資本構成の変更や事業の部分売却、会社の清算などを行う点は、単に買ったり売ったりするほかのヘッジファンドとは異質なものといえ、幅広い知識や経験が必要なプロフェッショナルな運用といえる。


 ヘッジファンドリサーチ社の破綻債券ファンドのインデックスを見てみると、一般的にはリーマンショックがあった2008年と2016年の原油価格が下落した時のシェールガス関連企業の破綻による影響を受けていることが分かる。しかしすぐに価格が戻っている点は、流動性の低い破綻債券市場の特徴を示しているといえるだろう。Man GLG European Distressed Fundはヨーロッパ企業への投資だったため2016年の影響は軽微だったようだ。

 一般的な破綻債権ファンドはクローズドエンド型で途中売却することが難しい。個人投資家が検討する際にはファンドオブファンズ形式で一部破綻債権ファンドを組み入れているファンドに投資するのが現実的だろう。

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