Bloombergが集計したデータによると3月のヘッジファンドの実績はグローバルマクロ以外はプラスで推移した模様だ。
3月は先物系のCTA戦略が2.07%と、全戦略の中で一番好調だった。年初来リターンはヘッジファンドの全戦略で4.86%とプラスに推移しており、個別の戦略で好調なのは株式ヘッジファンド6.70%、M&A系などのイベントドリブン戦略が4.76%と好調に推移している。
3月 | 年初来リターン | 12か月実績 | |
---|---|---|---|
全戦略 | 0.48% | 4.86% | -1.04% |
CTA/ManagedFutures | 2.07% | 1.84% | -2.52% |
株式ヘッジファンド | 0.04% | 6.7% | -1.97% |
イベントドリブン戦略 | 0.23% | 4.76% | 1.52% |
債券ディレクショナル | 0.72% | 3.43% | 2.34% |
債券レラティブバリュー | 0.26% | 2.38% | 2.7% |
グローバルマクロ | -0.11% | 2.49% | -3.86% |
マルチストラテジー | 0.64% | 4.3% | -0.76% |
もう少し詳しく個別の運用戦略を見ていくと、イベントドリブン戦略の中のアクティビスト戦略は年初来13.32%と高い実績を出している。これは株式のロングバイアス戦略のファンドが年初来9.56%プラスと好調に推移していることからも、買いポジションのファンドが実績につながっていることが分かる。一方株式ロングショート戦略では、空売りしている分成績は落ちて、年初来6.29%のリターンとなっている。
また株式の買いポジションが好調な中でショートバイアス系のヘッジファンドも年初来5.48%プラスであることは注目されよう。市場が上昇している中でも、空売りでもリターンを出す機会に恵まれており、買い方の投資家も銘柄の選別が重要となりそうだ。
ヘッジファンド全体として直近1年の成績もだいぶ回復してきており、先日の機関投資家の調査でもヘッジファンドの投資割合を増加を検討する基金が増えるなど、ヘッジファンド業界も明るさを取り戻しつつある。
近年のヘッジファンドの投資家はかつての個人富裕層から年金基金や大学基金に移行しつつある。その中でより分散投資効果が高く、安定的な実績を出しているファンドが好まれる傾向がある。
今後も市場の先行きへの不透明さが増すにつれて、分散投資効果の高いヘッジファンドへのニーズが高まりそうだ。
関連記事
・富裕層の投資「ヘッジファンド」のすべて 解説~運用成績10%超高利回り商品の購入方法まで 2018年最新版
*ヘッジファンドダイレクト株式会社からの情報提供