世界トップクラスのヘッジファンドであったNevsky Fundを運営していた、Martin Taylorが、2019年の9月に新ファンドを設立して、運用に復帰する計画だとBloombergが報道した。
Martin Taylor はBaring Asset Management にてEmerging Europe Trust を95年から2000年にかけて運用した後、Thames River Capital にてNevsky Fundを運用し、リーマンショックを含む2000年から2011年までの旗艦ファンドで平均リターン20%を超えるリターンを上げ、一躍トップファンドマネージャーとなった。
Nevsky Fundの2000年から2015年末までの実績は平均リターン18.4%、平均リスク13.7%となっていた。同時期の新興国株インデックスの平均リターン7.4%、平均リスク22.9%に対しても、先進国株インデックスの平均リターン3.5%、平均リスク15.8%であった。通常ローリスクハイリターンの運用は不可能といわれる中にあって、新興国よりも高いリターンを、先進国株より低いリスクで達成したことは、名実ともにトップクラスのファンドであったといえよう。
Martin Taylor が新しく設立するCrake Asset Managementは現在15億ドルを調達を進めており、パートナー6人のうち5人はNevsky Capitalのメンバーとなると報じられている。
Nevsky Capitalをたたむときのレポートでは、今後、インドや中国の存在感が増し、その両国のデータの不正確性が、より資本コストを高め、難しい世界になっていくだろうと述べていた。さらにはインデックスファンドとアルゴリズムファンドの登場は、異なる市場間の相関性を高め、運用の不透明性を高めるとの考えを示した。
引退後3年が経ち、よりアルゴリズムの支配が強まった世界で、伝説のファンドマネージャーがどのような運用を行うのか、今後の活躍に期待したい。
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記事提供:柿本紘輝