債券ファクター投資戦略、広がりを見せる

 最近債券へのファクター投資が活発になってきた。株式市場に採用されていた手法が、債券投資にも広がることによって、投資の可能性が高まると期待される。

 ファクターとは投資におけるリターンの源泉であるリスクプレミアムを示す言葉である。多くのヘッジファンドは現在ファクター投資戦略、またはリスクプレミアム戦略を採用している。

 一般的には、株式投資に利用され、市場のほかにバリュー・小型・モメンタム・低ボラティリティ・収益性などがファクターとしての持続性や普遍性、安定性を備えているとみられているが、ほかにも多くの運用会社は独自のファクターをとらえて運用している。

 従来の分析が銘柄ごとの時系列データや財務データを用いて垂直的に期待リターンを説明しようしていたのに対し、ファクター分析では各銘柄のファクター値によって、ユニバース内での相対的な期待リターンや期待順位を横断的に説明しようとしたことにある。

 この考え方は非常に重要で、従来はアセットクラスごとの集合体でポートフォリオを測定していたのに対し、ファクターの集合体としてとらえることを意味する。

 少々難しい、という方はファクターを食品における栄養素ととらえるとわかりやすくなるかもしれない。ダイエットや筋肉を増やそうとする場合、炭水化物やタンパク質などで体調管理をし、米や鶏肉など食品では管理しないだろう。ここでいうファクターとは栄養素のことを言い、食品が資産を示すと考えてもらえればわかりやすくなるのではないだろうか。

 このファクター分析は近年株式では積極的に用いられてきたが、債券への適用はまだ本格的には採用されていなかった。しかしここにきて債券への適用が活発化してきているようだ。Bloombergの報道によるとアメリカの大手ヘッジファンドAQRやノーザン・トラスト・アセット、インベスコなどが相次いで、債券ファクター戦略を採用始めているとのことだ。

 AQRによると従来の債券ファンドは過去20年で単にリスクを取って利回りの高い投機的格付けの債券に投資するか、またはより長期の債券に投資することによってアルファリターンを生み出してきたと説明している。今後はモメンタムやバリューなどのファクターによるアルファリターンを生み出すことになると考えているようだ。

 従来も一部の債券ヘッジファンドは、価格の歪みをとらえて投資するアービトラージ戦略や、長短金利の相対的な変化から裁定益を狙うイールドスプレッド戦略や市場流動性の厚い証券と薄い証券との聞に存在する流動性プレミアムに着目して、それからリターンを狙う流動性プレミアム戦略などを利用はしていたが、今後その利用が広がっていきそうだ。

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