5月は投資家にとって追い風の月となった。日経平均も2千円以上値上がりし、世界的に経済活動再開期待が高まり全面的にリスクオン相場だった。日経新聞によると日本の投信市場は今まで人気だったバランス型投信から資金流出が起き、海外株式型投信への資金シフトが確認された。一方、海外ではどうだっただろうか。世界の人気ファンドを10位まで見ていく。
5月の人気ファンド10選
英国の調査会社Money Observerが今月発表したレポートでは、ファンドの具体名とトレンドが紹介されている。10位までのランキングは以下の通りだ。パッシブ型からアクティブ型ファンドへのシフトが続いているようだ。
パッシブ型ファンドは3、5、7、10位の4つであった。3月には8つ、4月には5つと月を経るに連れアクティブ型への移行が進んでいる。いずれも日本の証券会社では投資できないファンドだが、優れたリターンを上げているファンドが多い。1年、3年どちらも最高リターンのBaillie Gifford Americanを簡単にご説明する。
ベイリーギフォード・アメリカンファンド
まず、運用会社のベイリーギフォードについて紹介する。1908年に設立され100年以上の歴史を持ち、運用担当者は250人以上とかなり大型の資産運用会社だ。規模と経験を武器に様々なファンドを運営し、預かり資産は26兆円を超える。多くの年金基金も投資している運用会社だ。
アメリカンファンドはS&P500インデックスをベンチマークとしている。ボトムアップの投資手法をとっており、主に大型成長株が投資対象だ。ファンドの報告書では、4月末の投資セクターは以下のようになっていた。セクターと、上位10銘柄を掲載した。コロナウイルスの影響で利用が増加した「ロックダウン銘柄」が上位を占めている。セクターと共に、状況に合った運用ができているファンドといえる。10銘柄の割合は55%と高く、銘柄を絞った運用が特徴だ。
※Baillie Gifford American Fund Monthly Factsheet から作成
まとめ
テクノロジー株とヘルスケア株への資金流入は続いており、海外でもアクティブ型ファンドの人気が高まっていることが確認できた。ロング(買い)のみで運用するファンドでも、運用会社やファンドマネジャーによって方針は様々だ。下落相場でも値上がりする銘柄を見つけて、機動的に入れ替えることで値上がりしているファンドもある。
また、ESG投資も人気だ。最初のランキングで、新しくランクインしたベイリーギフォードのポジティブチェンジ・ファンドは企業統治と持続可能性を考慮した投資を行う。機関投資家を中心にこうした運用を行うファンドのニーズが高まっているようだ。
歴史的に見たらかなり割高な水準まで株は買われているが、こういったファンドの人気が高い間は資金流入も続きそうだ。
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*ヘッジファンドダイレクト株式会社からの情報提供