富裕層におすすめの資産運用先|人気の投資先5商品を紹介
日本には、純金融資産が1億円を超えるいわゆる「富裕層」以上の世帯が132.7万世帯いると推計されています。これは、日本の全世帯の約2.5%に相当します。
参考:株式会社野村総合研究所
このようにある程度の資産を保有している方は、どのように資産運用を行っているのでしょうか。ここではまず、富裕層の方々におすすめの資産運用先として、主な商品5つをご紹介します。
債券
債券は、企業や公共団体、国などの組織(発行体)が、資金調達のために発行する金融商品です。具体的には、会社が発行する社債、国が発行する国債などがあります。
債券投資は、実体としては発行体にお金を貸すことと同じです。満期が来れば全額返済され、期間中には金利を受取ることもできます。
しかしその反面、発行体が破産してしまうと元利金の回収ができなくなるリスクがあります。一般的に、債券は株式に比べて利回りは低いですが、その分安全性が高いです。
なお、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が下落すると債券価格は上昇します。市場金利は、好景気(株価が上がるとき)に上昇し、不景気(株価が下がるとき)に下落します。
その結果、株式と債券は値動きが逆になることが多く、両者を組み合わせることで価格変動リスクをヘッジできると言われています。
株式
株式は、株式会社の資本の出資者としての地位の持分を表します。株式は言わば「会社の所有者としての権利」と言い換えることもできます。
また株式を保有していると、株主総会に参加して会社の意思決定に参画できるほか、会社の経営から生まれた収益を配当として受け取る権利も持つことができます。さらに一部の企業では、株主優待として自社の商品やサービスなどを割安で利用できることもあります。
一般的に、上場している株式を直接購入するか、ETF(上場投資信託)を購入することで株式投資ができます。これらの商品は証券市場で売買が可能で、その銘柄の需要と供給によって常に価格が変動します。
つまり株式投資は、配当や株主優待を受取る商品という側面(インカムゲイン)と、価格の値上がり・値下がりによる利益を追い求めるという側面(キャピタルゲイン)を持った投資商品です。
不動産・REIT
先ほど紹介した債券や株式はいわゆる「伝統的資産」ですが、「代替資産(オルタナティブ)」の筆頭としては不動産投資が挙げられます。不動産投資は、値上がりによるキャピタルゲインと、賃料収入によるインカムゲインを狙った投資です。
ただし、不動産の場合は価格が毎日変動することはなく、一般に値動きも大きくないことから、インカムゲイン中心のミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われています。
また償却による節税メリットや、相続税対策に活用できる場合があることから、富裕層からの人気を集めています。
なお、REITは不動産投資を小口から実践できる商品です。証券会社で株式と同じように購入でき、実物不動産よりも流動性が高いことが特徴です。ただし、REITは上場しているので、不動産の値動き以上に金融商品としての値動きが大きくなっています。
プライベートバンク
プライベートバンクとは、一定以上の資産を保有している方を対象に、銀行業・証券業・保険業・不動産業など、複数の資産管理や資産運用のサービスを複合的に提供する金融機関です。
欧米で発展した金融業態であり、日本では外資系の銀行や証券会社が先行していました。しかし最近は、国内の銀行・信託銀行・証券会社も力を入れるようになってきました。
一般的な金融機関は、投資信託や国債など広く販売されている金融商品を低コストで販売しています。一方でプライベートバンクは、コンサルタント機能も備え、顧客ひとり一人にオーダーメイドの金融商品やサービスを提供します。
私募仕組債、優先出資証券や取引一任勘定での資産運用など、通常の銀行では取り扱わない商品・サービスをオーダーメイドで受けられるのが、プライベートバンクが富裕層に人気の理由です。
ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、投資信託と同じく複数の投資家から資金を集めて運用するファンドです。投資信託は公募(広く一般に販売される)なのに対して、ヘッジファンドは私募(マネージャーと投資家との相対取引)で資金が集められるという違いがあります。
ヘッジファンドは、もともとは「価格変動リスクをヘッジして、相場が上がっても下がっても利益を出す」という意味があります。先物取引やデリバティブなどの金融テクニックを駆使して、相場の動向に関わらずにプラスのリターンを得ることを目指します。
なお、ファンドによってリスク・リターンは異なります。2~3%程度の安定運用を目指すヘッジファンドや、安定して10%を上回るリターンを出してきた実績のあるファンドなどもあり、富裕層からも人気を集めています。
ヘッジファンドについて詳しく知りたい方は「ヘッジファンドとは何かわかりやすく紹介!意味や仕組み、投資戦略を簡単に解説!」をご覧ください。
富裕層におすすめのポートフォリオ|守りと攻めの2パターンを紹介
それでは、富裕層の方はどのようなポートフォリオを組むのが良いのでしょうか。ここでは、守りと攻めの2パターンのポートフォリオをご紹介したいと思います。あくまで一例ですが、金融商品の種類や資産の割合をぜひ参考にしてみてください。
守りの運用をする場合
投資商品 | 資産割合 |
---|---|
債券 | 35% |
株式 | 10% |
不動産・REIT | 15% |
プライベートバンク | 30% |
ヘッジファンド | 10% |
上の表は、資産を守ることに重点を置いたポートフォリオです。比較的安定性が高いと言われている債券を中心にさまざまな資産に分散投資しています。
一般的に債券は、市場の不透明感が高まると価格が上がります。株式と逆の値動きをすることが多いので、不況により株価や不動産価格が下がっても、債券によってカバーすることを狙っています。
一方で、国に信用不安が起きた際に貨幣の価値が暴落する事態(ハイパーインフレ)が発生して債券価格が下落した場合にも、現物資産である不動産を保有しておくことで一定のヘッジをかけています。
一方でプライベートバンクやヘッジファンドでは、自身の投資目標を定めてオーダーメイドで金融商品を組み合わせてくれます。そのため、債券や株式でリスクをヘッジして守りの運用を固め、攻めの運用はプロに任せるなど、ご自身のニーズに合った投資が可能になります。
攻めの運用をする場合
投資商品 | 資産割合 |
---|---|
債券 | 10% |
株式 | 20% |
不動産・REIT | 20% |
プライベートバンク | 30% |
ヘッジファンド | 20% |
こちらは余剰資金を活用し、資産を増やしていくことに重点を置いた攻めのポートフォリオ例です。レバレッジを効かせたヘッジファンドに20%のウェイトを置いて、積極的に運用しています。
ヘッジファンドは、相場の上げ下げに関わらず利益を出すことを目標にするファンドです。また、債券を一定程度保有しておくことで、不況で株式の資産価値が下がったとしても、債券価格の上昇である程度はカバーされます。
ただし、ヘッジファンドもハイリターンを狙う以上は損失が発生する可能性もあります。また大きな金融危機が発生した場合には、資産全体が毀損してしまうリスクは認識すべきです。
さらにプライベートバンクで攻めの運用を目指すと、プロの投資家が目標に沿った金融商品を組み合わせて分散投資してくれるので、あなたの理想的な資産運用を実現できるでしょう。
なお、資産運用でどのくらいリスクをとるか考える上では、「リスク資産とは?安全資産(無リスク資産)と危険資産の割合はどのくらい?」もご覧ください。
富裕層が資産運用に充てる資金は総資産額の7割程度
ここまで、富裕層の方におすすめの資産運用やポートフォリを紹介してきました。ここで注意していただきたいのが、富裕層といえども資産の3割程度は現預金で保有し、資産運用に充てるのは総資産の7割程度とすべきということです。
どのようなバランスのポートフォリオを組んだとしても、大きな経済危機が発生した場合などには、短期的に大きな損失を被ることがあります。
そのため、短期的な損失を回避して最低限の生活と資産を守るために、資産の3割程度を現金や預金などとして持っておく富裕層が多いようです。残りの7割を、上記でご紹介したような投資商品で運用することをご検討ください。
ポートフォリオの基本型は「現金30%、海外資産30%」です。この基本型をベースに考えながら、残りの40%を国内のリスク商品に投資したり、場合によっては金や不動産といった現物資産に振り分けたりしてポートフォリオを展開していくわけですが、そこにはその人の属性や経済環境などが関係してきます。
また、富裕層の中でも医師の方におすすめの資産運用が知りたい方は「【医師の資産運用】勤務医に適した4つの投資方法とは?」をぜひ参考にしてください。
さらに、経営者におすすめの資産運用が知りたい方は「【経営者の資産運用】中小企業オーナーは法人口座で会社の余剰資金を投資すべき?」をご覧ください。
富裕層におすすめの資産運用やポートフォリオを相談したい方は?
ここまで見てきた通り富裕層の方は、債券や株式など誰でも購入できる商品から、プライベートバンクやヘッジファンドなど一部の富裕層に限られた商品まで、さまざまな金融商品が投資先の選択肢として挙げられます。
また、富裕層の方は投資元本が大きいため、分散投資をして正しい運用をすることで利益を狙うことも可能です。一方で、どのように資産を分散して正しいポートフォリオを組めば良いのかわからない方も多いでしょう。
そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、富裕層の方のニーズに合った優良ヘッジファンドを紹介しているので、理想的なポートフォリオによる資産運用をサポートします。