ヘッジファンドのリスクや危険性|破綻・倒産の可能性は?
ヘッジファンドに興味はあるけど、リスクや危険性が怖いという投資家は多いのではないでしょうか。ヘッジファンドに限らず、あらゆる資産運用にはリスクが伴い、資産運用をする際には想定されるリスクを知っておくことが大切です。
この記事ではヘッジファンドのリスクを説明したうえで、ヘッジファンドのリスクや危険性への対策のポイントを紹介します。まずは、ヘッジファンドのリスクや危険性にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
ヘッジファンドについて詳しく知りたい方は「ヘッジファンドとは何かわかりやすく紹介!意味や仕組み、投資戦略を簡単に解説!」をご覧ください。
元本割れリスクがある
ヘッジファンドには元本割れリスクがあります。ヘッジファンドに限らず金融商品の多くは元本保証がなく、損失が発生した場合でも補填されることはありません。
定期預金は、預入先の銀行が破綻した場合でも1,000万円と一定期間の利息分の元本保証がありますが、基本的な利率が低いです。
一方で、ヘッジファンドなど元本割れリスクがある金融商品は定期預金や日本国債よりも利回りが高く、1~10%以上の高利回りが期待できます。高利回りになるほど資産を大きく増やせる可能性がありますが、元本割れリスクを許容することが必要になってきます。
経済情勢が悪化したときなどは元本割れリスクが高くなり、一時的に含み損が発生することがあります。しかし、経済情勢は絶えず変化するので、一時的に元本割れになった場合でも長期的に見ると含み損が解消される可能性はあります。
また、ヘッジファンドにはどのくらいの手数料がかかるのか知りたい方は「【ヘッジ ファンドの手数料】ハイウォーターマーク方式の成果報酬と管理手数料を解説!」をぜひ参考にしてください。
ボラティリティが高く価格変動が激しい
フルレバレッジで運用しているヘッジファンドは価格変動の幅(ボラティリティ)が大きく、価格変動が激しくなる傾向が見られます。
レバレッジを効かせると投資額を上回る金額で資産運用ができますが、ボラティリティが大きいため、一時的に含み損が発生することがあります。
なお、全てのヘッジファンドがフルレバレッジで運用しているわけではなく、レバレッジの効かせ方はファンドによって異なります。
破綻・倒産するリスクがある
ヘッジファンドは運用会社が破綻・倒産するリスクがあります。ヘッジファンドの運用会社が経営破綻すると出資金が全額返金されるケースは稀であり、多くの場合は大損をしてしまいます。
例えば、1990年代にはLTCM(ロングタームキャピタルマネジメント)という大手ヘッジファンドが経営破綻したことがありました。このように、大手ヘッジファンドであっても倒産することがあります。
LTCMはデリバティブを重視した運用で、設立当初は高いパフォーマンスを記録し脚光を浴びました。LTCMには、ノーベル経済学賞を受賞したロバート・マートンや元FRB議長のデビッド・マリンズも参加していました。
運用担当者はそうそうたるメンバーで「ドリームチーム」と称されていましたが、このような運用会社でも経営破綻することがあるので注意が必要です。
流動性リスクがあり途中で換金しにくい
ヘッジファンドは流動性が低く、運用の途中で換金しにくいというリスクがあります。急に現金が必要になった場合でもすぐに出金できないので、生活資金を運用に回すのは大変危険です。
すぐに出金できない理由は、ヘッジファンドにはロックアップ期間と45日ルールがあるからです。ロックアップ期間はファンド設定から6~24か月間で、この期間中は出金ができません。
また45日ルールにより、現金を引き出す際には解約日の45日以上前に申請しなければならず、現金が手元に届くまでに時間がかかります。
最低預入金額のハードルが高い
ヘッジファンドは最低預入金額のハードルが高く、ヘッジファンドを購入できるのは一部の富裕層に限られます。最低預入金額はファンドによって異なりますが、最低でも1,000万円の余剰資金が必要になってきます。
投資信託だと100円から購入できるので、比較するとヘッジファンドの最低預入金額のハードルは極めて高いと言えるでしょう。しかし、ヘッジファンドは投資信託よりも期待リターンが高く、資産を大きく増やせる可能性があります。
詐欺案件である危険性がある
ヘッジファンドの中には詐欺案件が存在する危険性があります。「絶対に儲かる」「元本保証である」などを謳うヘッジファンドは、詐欺案件である可能性が高いので注意しましょう。
また、「ネズミ講」に似た手口のポンジスキームという投資詐欺もあるので注意が必要です。絶対に儲かるヘッジファンドはなく、ヘッジファンドに元本保証はあり得ません。最近は富裕層の高齢者をターゲットにした投資詐欺が増えているので十分警戒してください。
また、ヘッジファンドで失敗したくない方は「ヘッジファンドで失敗しないためには?投資して損失を出すパターン3選を紹介!」もご覧ください。
ヘッジファンドのリスクや危険性への対策のポイント
ヘッジファンドにはリスクや危険性がありますが、事前にしっかりとした対策を講じることでリスクの軽減が図れます。それでは次に、ヘッジファンドのリスクや危険性への対策について見ていきましょう。
投資の目標金額や期限を決める
ヘッジファンドを購入する際は、投資の目標金額や期限を事前に決めておくことが大切です。投資の目標金額や期限を事前に決めておくと、数多くあるヘッジファンドの中から目標を達成できる最適なものを選べます。
例えば「2,000万円の資金を10年後に3,000万円に増やす」などの目標を設定しておくと、ヘッジファンドを選びやすくなります。なお、ヘッジファンドは長期運用に適した金融商品なので、運用期間は長期の方が望ましいです。
ファンドマネージャーと運用方針を擦り合わせる
ヘッジファンドを選ぶ際は、ファンドの運用方針を確認しておくことが大切です。ヘッジファンドは運用会社によって運用方針が異なり、レバレッジを最大限に効かせて利益を獲りにいくファンドや安全性を重視した運用を行うファンドなどがあります。
ヘッジファンドの運用方針や投資戦略、リスク管理などを事前に確認しておき、自分がとれるリスクの許容度なども伝えておくと想定外の損失を防ぐことにつながります。また、投資助言会社に相談するなどして、専門家の助言も参考にすると良いでしょう。
余剰資金の範囲内で投資する
ヘッジファンドのリスクを軽減するには、余剰資金の範囲内で投資することが必要です。ヘッジファンドは流動性リスクがあり、すぐに換金ができないので、生活資金を投資に回すのは避けましょう。
また、ヘッジファンドは絶対に儲かるわけではないため、生活資金で投資をすると生活が破綻する恐れもあります。余剰資金だと余裕を持って資産運用ができるので、メンタルの状態を健全に保つためにも、余剰資金で投資をすることが極めて大切です。
信頼できる相談先を見つける
ヘッジファンドのリスク回避のためには、信頼できる相談先を見つけることが重要です。ヘッジファンドは透明性が低く、投資信託のような公募ファンドと比べると情報の収集に困難が生じる傾向があります。
自分だけの判断でヘッジファンドを選ぶと、取り返しがつかない失敗をする恐れがあるので、専門家に相談して運用実績が豊富なヘッジファンドを紹介してもらいましょう。専門家に相談してアドバイスをもられば、詐欺案件に引っかかるリスクも減らせるでしょう。
ヘッジファンドのリスクや危険性について相談したい方は?
ここまで見てきた通り、投資のプロに運用を任せるヘッジファンドでもリスクや危険性が存在します。ヘッジファンドでは、最低預入金額が1,000万円と高額に設定されているため、実際に投資を始める前にリスクや危険性について相談したい方もいるでしょう。
そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。ヘッジファンドダイレクトでは、お客様のニーズに合わせて、長期的に運用実績のある優良ヘッジファンドを紹介しているので、リスクや危険性について納得したうえでヘッジファンドでの資産運用ができるでしょう。