銀座有名歯科医院2代目が今思うこと(2)

歯科医には今しかなれない

 投資の道を究めても良いかなと一時は真剣に考えた山田さん。ところが「歯科医には今しかなれないんだ」と考え、今は来るべき国家試験に備えて一旦投資はお休みし、勉学に励んでいる。

 「まずはしっかりとした技術を身につければ選択肢はたくさんあるのではないかと思います。その上で、ビジネスやマーケティングにも詳しい歯科医になるのもありかな」と考えるようになった。歯科医が供給過剰とはいうものの、世の中に必要な職業であることには間違いない。その社会的な使命を背負っていることは、山田さんも卵と言えども十分にわかっている。

 学校にもまた歯科医の2代目が多いという。「同級生にも親が開業歯科医だという人が多いですが、これからは厳しい、という雰囲気はあまり感じません」と山田さん。しかし、皆がこれから目指すのは、大学の卒業試験、国家試験。そして試験を突破すれば、次は厳しい修行が待っている。一人前の歯科医として世の中に出るのは30歳を過ぎている頃になりそう。

 実は山田さんは、父親の医院のホームページも手がけたり、FXの投資手法も一時は出版の企画が持ち上がったこともあるという。新しい何かを掴もうとしている2代目もいる。暗い話題で取り上げられることが多いこの業界だが、山田さんたち若い世代が、この先、新たな歯科医師像を作り上げていくのかもしれない。(終わり)

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