現役医師ながら「チーム・バチスタの栄光」などの作家として活動する海堂尊氏がネット上で発表した文章が名誉棄損にあたるとして、深山正久東大教授が、損害賠償などを求めて訴えを東京地裁に起こしていたことが9日、分かった。
訴状などによると、深山教授が昨年度に交付金を受けて遺体を調査した結果について、海堂氏がブログに書いた反論内容によって、名誉が傷つけられたという。
海堂氏、深山教授の2人は、ともに日本病理学会に所属する。病理学とは、様々な疾患の特徴を解析し原因を解明し、有効な治療法を開発する伝統的な学問。同学会には約4000人の会員がいる。
自身のブログ(宝島社HP版)に「厚生労働省が公募した、『解剖を補助する画像診断研究』の主任研究官に東大病理学教室の深山教授が公募しました。これこそ先行研究を無視した暴挙で、文芸の世界での『盗作』に等しい行為で、アカデミズムの世界では決しておこってはならないことなのです」と批判している。
深山教授はこの時は学会の副理事長だった。
海堂氏は「現在、以前このブログで書いた記事に関して、東大病理学教授の深山正久氏から名誉毀損で民事裁判を起こされています。このブログの中で起こった出来事ですので、読者の皆様に経過をご報告したいところですが、まだ裁判中のためご容赦いただければと思います。裁判が決着しましたら、皆様にお伝えする機会をつくれるかもしれません」とブログ(日経HP版)でコメントしている。