みんなが「まろ」になれば変わる
『花咲爺さん』と『意地悪爺さん』。2人とも同じことをやっているように見えても実は中身はまったく異なる。みんなのために行動している前者と、自分だけのために行動している後者という風に違いは明らかだ。つまり花咲経営者or意地悪経営者。あなたはどっちか? などと言うつもりはない。また、何も竹田さんは、ハナから自由競争を否定していない。その上で皆が花咲爺さんのように徳を持とうと言っているわけだ。
「アダム・スミスが言うとったような『神の見えざる手』は今までの話だで」と竹田さん。自分の利益だけを追求していれば、それだけで自然と経済がうまくいくという時代ではなくなったということを痛感しているようだった。
そして、竹田さんは「まろ」なる言葉を使う。これは「真心(まごころ)」という意味で使っている。つまり経営にも真心が必要というのだ。
「自分がまろになるだけで変わるわけ。『まろわ経営』で何をやっても景気が良くなるわけよ」
竹田さんの会社は、このまろわ経営を実践に移したことによって、利益は対前年比5000万円増になったのだという。(つづく)