竹田和平流経営で会社が蘇る【2】

問答で社員の意識が変わった

 まろわメーリングリストとは、竹田さんをはじめ数人の出題者が、受講者の携帯電話にメールで問答を送信。それに対して、それぞれが考えて出した答えを、出題者に送り返す。
こうしたホットラインのおかげで「1カ月くらいで若手の社員たちの成長を感じるほど」になったという。

 まろわメーリングリストの『貯徳問答講』(半月に1度送信)の過去に送信されたものの中から、一部をここで紹介してみたい。

 「貯徳旦那を育て 貯徳の世拓く夢が 輝いて 自己を成長させるからです 貯徳の道標 感謝の一言 ありがとう」

 なにげない問いかけ。しかし返答するためには、意味を考えて、自分なりの知恵を総動員して答えを出さなければならない。ちなみに皆さんは、どのような答えを出すのだろうか。もちろん、正解というものはないが、考えたことが知恵になって自分の血肉となるのだという。

 「社員全員と話しをするということも、なかなかないから。毎日のように色々返ってくるメールを、携帯電話で見とるでねぇ」

 竹田さんの携帯電話のメールの受信メモリーには多数の着信があった。だが、毎日これを読む。左手で操作しながら目を細めて丹念に。これで社員のやる気に火がつくなら、これくらいは苦痛でも何でもない。むしろ楽しみにしているようだった。

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