パイロットコーポレーションは、万年筆に日本伝統の漆芸沈金技法を用いた万年筆「Namiki 虎」と「Namiki 牡丹」(各735,000円)を26日に発売する。
沈金技法は、蒔絵とならび漆芸を代表する技法の一つで、蝋色漆仕上げされた素地に専用のノミで彫った溝に漆を入れ、金箔や金粉で置き色し、絵柄を表現する。緻密で繊細な描写と立体的で力強い表現力が特徴。蒔絵が「塗り」の技法であるのに対し、沈金は「彫り」の技法であるため失敗が許されず、一彫り一彫りが真剣勝負といわれている。
今回の万年筆は「虎」、「牡丹」を絵柄のモチーフに、沈金ならではの精微な表現を随所に散りばめた。「Namiki 虎」は、力強いイメージから厄除けや勇気の象徴とされる虎が、険しい崖を力強く降りてくる様子を生き生きとした線で描いた。一方「Namiki 牡丹」は、開いた花・半開きの花・つぼみを組み合わせ華麗な姿を緻密な描線で表現。牡丹は中国原産で、「富貴花」、「百花王」の異名を持ち、富や繁栄、幸福を表わす縁起の良い花とされる。
「Namiki 虎」「Namiki 牡丹」(各735,000円)