サブプライムローン問題は起こるべくして起きた
まだサブプライム問題が表面化していない2005年。アメリカ経済は右肩上がりが続き、私たち日本人は新興国に戦後の日本の姿をノスタルジーと重ね合わせて成長期待を募らせ、そして小泉構造改革という名で盛り上がる市場の熱狂に酔っていた。
そんな時に「株高が続くのは長くてもあと2年。アメリカの住宅バブルはそう遠くない将来に弾ける」と主張していたのがエコノミストの中原圭介氏だった。誰もがまるで、ルーレットやポーカーゲームに興じるかのように投資を楽しんでいた時だけに信用する者など誰もいなかった。だが2007年の夏以降、それは不幸な形で証明されてしまった。
「当時は誰も聞いてくれなかったんです。でも歴史を見れば明らかですよね。100年に1度じゃなく、起こるべくして起こった金融危機ですよ。これは投資・金融教育の間違いが原因です」
投資・金融教育が原因だと断定した中原氏。ただ、実際には誰も学校でそんな教育は受けた覚えもない。一体何なのか。