京大が全大学利益の1割弱を占める
1位となった京都大学を単体で見てみることにする。大学の発表によると、まずはその内訳を見てみることにする。運営費交付金収益584億円がダントツで大きく、次いで付属病院収益268億円、外部資金210億円、学生納付金収益137億円となっている。それらを合わせれば1354億円となる。経常費用など合計すると1286億円が出て行き、総利益が68億円となる。これは58大学法人の総利益757億円の中では、約9%、実に1割弱を占めている。
京大の発表には、『本学の運営努力による利益…約37億円』という項目がある。「主な利益要因としては、経費の削減などがあげられます。この利益は実際に大学の運営に使用できる資金の裏付けのある利益であり、文部科学大臣の経営努力認定を受けることを予定しています」と自己分析している。
昨年は「益川・小林理論」といわれる京大理学部時代に書かれた研究論文が、ノーベル物理学賞を受賞するなど、明るいニュースも出た。また、将来を有望視される「iPS細胞」の存在もある。昔はそれだけでも良かったのかもしれないが、今は違う。京大は今後、運営交付金を毎年度1%ずつ減らしていき、付属病院収入を毎年度2%ずつアップしていくことを目標にしているという。こうしたことを公言するあたりは、国立大学も業績UP? は当たり前の時代になったということか。