不動産投資家必見!「更新料がなくなる日」【1】

「消費者契約法」という名のクセ者?

 ここで、ご存じない方のために、いま一度8月27日の「更新料無効訴訟」を簡単に振り返っておく。

 京都市の男性が、支払い済みの更新料など計約55万円の返還を家主に求め、大阪高裁は「更新料の契約条項は消費者の利益を一方的に害しており、消費者契約法に照らして無効」として、家主に約45万円の返還を命じる判決を言い渡した、というもの。

 判決によると、男性は2000年に京都市内のマンションに入居する際、月4.5万円の家賃と1年ごとに10万円の更新料を支払う契約を家主と締結。2005年8月までに5回更新料を支払い、その後退去している。

 おおむね以上のようなものであった。判決理由に「消費者契約法に照らして無効」とあるが、実は改正された消費者契約法が、オーナーサイドにとっては意外なクセ者となる。では、この結果を法的にどう受け止めれば良いのか。多くの不動産投資家をクライアントに持つ弁護士が、次のように話した。

 「確かに原則、契約でいったん定めたことというのは、そう簡単にはひっくり返せません。しかし、消費者契約法が制定された以上、消費者契約法が適用されるケースでは、その原則がひっくり返されることがあります。当判決は判決として妥当なのか?というと、それはわかりません。ただ、非常に説得力のある判決であることは確かで、反論することはかなり大変だと感じています」

 契約という原理原則を覆す消費者契約法。どのような法律なのかを、少し整理してみる。

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