オーナー夫婦が離婚でドジャースの奪い合い

 プロ野球チームは誰のためにある? 米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースのオーナー、フランク・マッコート氏とジェイミー夫人の離婚騒動で、球団という“超優良資産”を巡って犬も食わない戦いが起きている。


フランク・マッコート氏(右)と、一人はさんでジェイミー夫人。この距離が修復不能を雄弁に物語る(今年10月)

 米紙LAタイムズによると、オーナー側は「100%自分の持ち物」であることを主張し、一方の夫人側は最高経営責任者(CEO)も務めており「結婚後に手に入れた資産は折半だ」と反論した。これに困ったのは球団だ。あわてて「あくまでこれは個人的な問題」との見解を発表したが、騒動は簡単には静まりそうにない。

 カリフォルニア州の法律によると、結婚後に稼いだ資産は共有財産と認定されて折半することと決められている。今年に入ってから、オーナーの離婚で資産として問題となったサンディエゴ・パドレスの場合は、離婚する際に球団を売却。折半となった前例がある。

 2人はジョージタウン大学で出会い、1979年に結婚した。結婚30年を迎えてもこれまでは仲良く球場にも姿を見せていたが、今季のプレーオフでは球場でも離れて座ったり、口を聞こうともしなかった。

 米経済誌フォーブスは、ドジャースの資産価値を約7億2200万ドル(約650億円)と見ている。マッコート氏が2004年に球団を買収した金額は3億5500万ドルだった。途中、球場施設などへの投資に1億4000万ドルを費やしたが、資産額は倍増していることになる。資産価値は全チーム中4位。

 日本では、球団によって収益力や資産価値に差はあるものの、大リーグは収益を分配するために弱小球団も救済される。その中でもドジャースクラスともなれば低リスク高リターンでもあり、しかも大きなステータスでもある。こうした超優良資産を手放したくない気持ちは双方とも同じだろう。


フランク・マッコート氏とジェイミー夫人。ほんの1年前はこんなに蜜月だったのに…(昨年6月、米ロス)

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