東大などが世界初、痛風の主要病因遺伝子発見

 東大などの研究グループが、世界で初めて痛風の主要病因遺伝子を発見したことが4日、明らかになった。米国科学誌「Science Translational Medicine」で発表された。

 この発見をしたのは、東京大学医学部附属病院の高田龍平助教、防衛医科大学校の松尾洋孝助教、東京薬科大学の市田公美教授らの研究グループ。「分子機能を指標とした大規模な遺伝子解析」を行い、尿酸トランスポーター遺伝子ABCG2が、痛風の主要な病因遺伝子であることをつきとめた。

 痛風は、高尿酸血症に引き続いておこる生活習慣病で、激しい関節痛を生じるのみならず、高血圧や腎臓病などのリスクとなる。しかし、稀な先天異常による痛風を除き、これまで大部分の痛風については原因が不明だった。

 この研究により、ABCG2遺伝子の変異による機能低下は痛風患者の8割に見いだされ、さらに痛風発症のリスクが26倍も高まる変異パターンを痛風患者の1割が持っていることがわかった。今回の発見により、痛風の病態のさらなる解明や新たな予防法・治療薬の開発につながることが期待されている。

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