「更新料無料」が主流になる?
ある新築マンションの敷地に、そんなことが書かれたフラッグが立っている。
場所はしかも、東京23区内の某ターミナル駅から徒歩5分以内。一般的に、新築時は最も競争力が高く、不動産投資家にとっては強気の条件設定ができるはず。好立地でしかも新築という物件ながらも、更新料無料というのは、世の流れなのだろうか。
大阪高裁で8月に出された更新料無効の判決の影響は少なからずあるようにも見えるが、投資家はどう考えているのだろうか?
「たとえ更新料がなくなったとしても、収入にさほど大きな影響を与えるとは考えにくいですね。つまり、今の不動産賃貸業はそのような横並びの印象が強く、各大家がいっせいに賃料を上げると思われるからです」
確かに、以前は「更新料無料」というフレーズを聞くことはあまりなかった。しかし、今は時々ではあるが見かけるようになってきた。ついでに「敷金・礼金0円」というものまで、チラホラ見かけるようになってきた。入居者のニーズとして初期費用を抑制する傾向にあり、そうした要望を汲み取る投資家が現れ、それに追随する人たちが出てきていることを示す例かもしれない。
ただし、それらの不足分はしっかりと毎月の家賃に少しずつ上乗せされているのは常識で、投資家の懐がそれほど寒くなるとも考えにくい。いっそのこと、更新料がなければ契約がスッキリするのは間違いないだろう。そう考える投資家もいるが、ここで取引契約の際には必ず登場する仲介業者、管理業者の考え方も紹介してみたい。