世界遺産「フィレンツェ歴史地区」
花の都、フィレンツェはルネッサンス発祥の地であり、14世紀から18世紀にかけメディチ家の庇護のもとに繁栄した。今でも街にはイタリア・ルネッサンスを象徴するサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やメディチ家の収集した美術品を展示するウフィツィ美術館など歴史的建造物が多く残る。
街はそれ程広くないので全て歩いて廻れる。ホテルは街の観光が中心ならヴェッキオ宮からドゥオーモあたりがお薦めだが、日帰りで他の世界遺産も訪れる場合は駅のそばの方が便利。私はクローチェ・ディ・マルタという中世トスカーナ風のホテルに泊まったが、駅まで歩いて5分と便利だった。
フィレンツェの観光はヴェッキオ宮から
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
広さはヴァチカンのサンピエトロ寺院、ミラノのドゥオーモに次ぎ3番目。内部はお祈りをする椅子を置いてないので、すっきりと広く見えるが、周囲には有名な肖像や大理石の飾りがさりげなく配置されている。
500段の階段があるというドゥオーモのクーポラに登った。壮大なクーポラは隆盛を誇った当時のフィレンツェの象徴であり、あまりの大きさに圧倒される。登りの通路と降りる通路が別にあり、その階段は極めて狭い。15分程登り続け、ヘトヘトになったがようやくクーポラの頂上にたどりついた。日頃運動不足の方や、お年寄りの方には相当きつい登りとなるので判断は慎重に。しかし登ってしまうと直径6メートル程の狭い回廊になっており、街の景色が360度見渡せる。遠くにヴェッキオ宮やウフィツィ美術館、アルノ川が眺められた。
フィレンツェの最終日はアカデミア美術館や、サン・ロレンツォ教会を見たが、ミケランジェロのダヴィデ像で有名なアカデミア美術館は前を3回通っても入口が分からなかった。これが美術館なの、というような小さな扉だった。
フィレンツェは1982年に「フィレンツェ歴史地区」として世界遺産に登録されたが、周辺にも世界遺産が多くある。私はフィレンツェに4泊したので、以下の4件の世界遺産も見て廻ることができた。
フィレンツェは「天井のない美術館」とも称されるが、このような美術館が過去の戦禍を免れ、現在まで残っていることに感謝したい。