6歳と5歳の女児を受け容れてくれる低年齢対象のボーディングスクールは、私どもが調べた限り、世界中に3校しかありませんでした。どれもがスイスです。そこに、ヨーロッパ・ロシア・アメリカ・オーストラリア・アジア・アラブ・アフリカのさまざまな地域から、未来を託された子どもが集まってきます。それがもう、何十年も前から伝統的に繰り返されているのだから、スイスという国はすごいなあと感服しております。
これら3校はいずれも、スイスのフランス語圏にある都市モントルーの近郊の、ビラール周辺に集まっています。アルプスの中腹に位置するビラールは、スキーリゾートで知られ、壮大な景色が映える美しい町です。
年間の学費(授業料・寄宿舎での滞在費・食費などの合計額)は3校とも大体同じで、当時42000~45000SFR(=スイスフラン)ほどでした。
一般に、物価の高いスイスでは、ボーディングスクールの学費も他国と比べて高値の傾向があり、中高生が対象の学校では60000SFRを越えるところもあります。その中にあっては、これら3校は費用の面で、高額とはいえ比較的手が届きやすいと言えます。もし限られた一定の年数だけ行かせるとするならば、スイスの低年齢留学は、費用対効果の観点からすれば、もっと大きなお子さんの留学よりも効率的なのではないでしょうか。
残念ながら3校のうち1校は、あまり印象が芳しくありませんでした。その1校を除いた2校のURLを、以下にご紹介しておきましょう。
La Garenne http://www.la-garenne.ch/
Pre` Fleuri http://www.prefleuri.ch/
非英語圏の国・日本では、海外留学といえば、英語「を」学ぶためのもの、と解釈されがちです。でも、我が子を低年齢で留学させてみると、英語(語学)力は“目的”ではなく“ツール”に過ぎないのだとよくわかります。ガレンへの留学に端を発し、英語「で」学べるようになった桜と楓には、成長とともに与えうる教育の幅がぐんと広がりました。
姉妹は今年、15歳と14歳になりました。スイスから帰国後に転入したインターナショナルスクールで、桜はハイスクールのフレッシュマン、楓はミドルスクールの最上級生へと進級しました。これまで概ね順調なペースで、ようやくここまでたどり着きました。
15歳と14歳という年頃は、国際子育てを標榜する日本のご家庭の多くが、「いよいよ海外へ留学させようか?」と検討する適齢期です。しかし我が家では、当面そんな相談をする予定がありません。幼いうちに手放すつらさを親子で乗り越えたのと引き換えに、心身ともに目覚ましい開花を遂げる10代の姉妹を日本にいながら間近で見つめて暮らせる幸せを、しみじみと味わっているところです。
けれども、これがゴールではありません。我が家の国際子育ては、まだあと10年ほどは「現在進行形」で続く見込みです。私どもでは、桜と楓が25歳になる頃を指標に定めて教育してきました。次回はそのことについて述べたいと思います。