京都大は25日、iPS細胞研究センターの山中伸弥教授が作った人工多能性幹(iPS)細胞関連の特許2件が、新たに国内で認められたと発表した。
発表によると、今回の特許は、山中教授が特定した4遺伝子のうち発がん性の高い遺伝子を除く3遺伝子を体細胞に導入してiPS細胞を作成した技術と、それらの遺伝子で作ったiPS細胞をさらに分化して体細胞を作成する技術の2件。
iPS細胞関連は昨年9月に、4遺伝子によるiPS細胞作成技術の国内初となる特許がすでに成立している。バイエル製薬が別の方法でiPS細胞を作成しすでに特許出願するなど、国際的にも競争は激しくなっている。京都大学は今後、医療面での実用化を目指していく。
iPS細胞とは、人工多能性幹細胞のことで、「多能性(万能)細胞」とも呼ばれており、体のあらゆる部位の細胞を作り出せる可能性を持つために、再生医療分野での活用が将来的に期待されている。山中教授が一昨年に人の皮膚からiPS細胞を作ったことが明らかになって、世界中に大きな衝撃を与え、常に研究の動向に注目が集まっている。