明治神宮など申告漏れ相次ぐ宗教法人

 宗教法人「明治神宮」(東京・渋谷区)が東京国税局から税務調査を受け、2006年12月期までの5年間で約1億円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。最近相次いでいる宗教法人の申告漏れ。透明性を求められる反面、収益事業の範囲の定義が難しいなど今後波紋を呼びそうだ。

 まず宗教法人とは、宗教行為には公益性を鑑みて非課税が適用されている。ただし、物販など収益性事業には法人税がかかることになっている。明治神宮のケースは、懇親費用などが収益事業の経費とみなされた格好だ。

 たとえば販売して得た利益を「お布施」などととして処理すれば宗教事業になってしまう。悪質だったのは、ラブホテルの料金を「お布施」として処理した「宇宙真理学会」がある。さらに、中には、休眠中の宗教法人を買い取って(収益)事業をしようと企む者までいる始末だ。

 しかし、宗教と収益の範囲の定義は困難。そのため、真っ当に宗教活動を行う法人にとっては迷惑この上ない。当分は、混乱をきたす可能性もある。

 世は今、税収不足のため、取れるところから取りたいのは人情。国税庁も今後は宗教法人へ、より一層の目を光らせていくことは間違いないだろう。 

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