1920年代の世界大恐慌や、1970年代のオイルショック時には、ヴァイオリンの名機がある種の投資対象として富裕層の投資先の一つとして注目されたが、金融危機後の現在もヴァイオリンに再び、注目が集まっている。
オルタナティブ投資の一種として、ヴァイオリン、切手、ワイン、名車などが富裕層の間ではひそかに人気を集めている。すでに欧州ではファンドが組成され2500万ユーロ(約33億円)の資金が集められたという。想定年利は12~15%。
伊の楽器製作者アントニオ・ストラディバリが製作した、ストラディバリウスは1億円以上がザラにある。2006年のクリスティーズオーゥションでは史上最高額の4億円で落札もされている。
ヴァイオリンの良さは、美術品などと違って保管するよりも、実際に著名な演奏家が演奏することによって、さらに価値が高まっていく点にある。そのため、長期間著名な演奏家に貸し出しているのだという。
株や債券ほどの大きな変動が少ないために、すでに株式を多数保有している富裕層は、分散投資のひとつとして実践しているようだ。