ぶらり、フレンチを食べに。

 あっという間に年末で、町はイルミネーション。

 散歩の途中でなにか食べたくなって、という池波正太郎のエッセイじゃありませんが、寝て起きたらなにか食べたくなって、赤坂「シュマン」と代官山「ポールボキューズ」にそれぞれ行って来ました。グランメゾンは2、3日前以前に連絡しなければいけないと固く信じているので、急に行きたくなっても当日あいていれば大丈夫な2店をご紹介します。


コンソメとウニのジュレ。上等なコンソメはほのかに キンモクセイの香りがする
 シュマン、こぢんまりとしたお品のいいお店です。流れているクラシックもお料理の味を引き立てる格調高い曲ばかり。どのお皿も大変秀逸だったのですが、一押しはお店のスペシャリテでもあります、コンソメジュレとウニのオントレ。コンソメのジュレが固すぎず、柔らかすぎず滋味もしっかりとしていて(ダブルコンソメのスタイルだと思いますが)、ウニと良く合います。お料理の印象はオントレで決まることが多い自分にとって(特にパテやムースはお味がお店によって全然違うので慎重にいただきます)。

 ポールボキューズ、ギャルソンの教育が行き届いていてびっくりします。ホテルのホスピタリティと同じと思ってもいいすぎではありません(ただ、個人差があることも付け加えておきます)。お料理は定番オントレ、メイン、デセールのプリフィクス風からフルコースまであります。

 サーモンフュメや若鶏のコンフィもよかったですが、デセールの洋梨のコンポートが美味しすぎました。聞けば季節のスペシャリテ! ボーキューズって、クレームブリュレを日本に持ち込んだ方なので、ブリュレと迷いましたが、コンポートにして正解でした。洋梨が丸ごと鎮座しているところに、ナイフをいれるとトロッととけるように切れます。一口いただきますと、魔術的なスパイスが香り、追ってリキュールの風味がほのかにただよう。コンポートといえば、フルーツがワイン色になってお皿にごろーんと寝ているものばかり食べてきた私にとってこれはとても新鮮に感じました。

 幸せいっぱい、ごちそうさまでした。(合掌。)


熱弁をふるったコンポート。なかなか巡り会わないフォルム

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