中国一人あたりのGDP、来年末に4000ドルへ

 中国政府のシンクタンクにあたる社会科学院社会学所はこのたび、2010年末、中国人一人当たりのGDPが4000ドル近くになると発表した。

 2000年、政府は20年後の中国経済の青写真を描き、2020年までに国民1人当たりのGDPを3000ドル以上にすると目標を掲げたが、目標を大きく上回り、大幅に前倒して達成したことになる。

 中国人一人当たりのGDPは、400ドルから800ドルまで増加するのに1978年から2000年まで20年を要したが、そこからの成長は目覚しく、3年後の2003年に1000ドル、2006年には2000ドルを超え、2008年には3000ドルを超えている。

 李培林(リ・バイリン)社会科学院社会学所所長は、目標を大幅に前倒しして達成している理由に、【1】高度成長が続いていること【2】毎年の人口増加率が減少していること【3】人民元のドルに対する切り上げ、の3つをあげた。

 国家統計局は、今年はじめ、中国経済は2009年、日本を越えて世界第2位になる可能性があるとし、GDPが8%伸びれば、同年末には国民一人当たりのDGPは3500ドル程になると予測していた。

 国際的なこれまでの例を見ると、一人当たりの収入が3000ドルを超えると、人々はより豊かな暮らしを求めるようになるとされる。現在中国では、住宅、車などといった耐久消費財が、各家庭に広まりつつあり、教育、医療、通信、旅行、文化などに対する消費の割合も急速に伸びている。これらは、中国が大衆消費の新しい段階に突入したことを示しているといえそうだ。

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