充実カーライフは何をおいてもサポート体制

 十数年ほど前にコンパックノートパソコンを購入しました。当時スペックの割りに安かったのですが、ちょっとトラブルが発生したのでコンパックサポートセンターに電話をしてみました。

 すると何回かけても話し中。朝かけて昼、夜2日にわたり話し中。。意地になって一週間かけましたが結局一度もつながりませんでした。

 頭にきた私はコンパックの会社宛にメールをしました。「売るだけでは誰でも出来る。何の為にサポートセンターを作っているのか? もう二度とコンパックは買わない! 今後はNECを買ってやる!」と延々と抗議のメールを送りました。その後、4、5日たってお詫びの返事が来ましたがもうどうでもよくなっていました。

 これは一昔前の一部の自動車業界に似ています。(※誤解の無いように言っておきますが私自身の体験談です。)かつてアルファロメオ、アウトビアンキ、サーブなどの欧州車を西武自動車や大塚商会やJAXが販売したり、オペルはいすゞ、ランチャをマツダオートザムが販売をしていたのです。

 昨日まで缶詰やコピー機やダンプを売っていた連中が、売れるかも?と勘違いし乗用車販売に手を上げる。一見キレイなショールームで車にホレちゃったら大変、即納の展示車を薦められてオーナーになる。もっとイタいのは展示車も無いのにカタログとセールストークでオーナーになっちゃう。

 実は彼らにまともなサポートなんて出来ません。しかも何かあっても部品の注文に何ヶ月、値段は2倍から3倍。イヤになって手放そうかと思えば高級車だったはずなのに、下取りは値段がつかないどころか処分代をくれと言われることもあります。

 自動車ユーザーを馬鹿にするなと言いたいです。結局例に上げた会社から買ったユーザーたちは大半が散々な目にあっています。しかも上記の販売は、みんなやめてしまいました(コンパックもヒューレットパッカードになりました)。食品や服を売っているノリでやられては、残ったユーザーは堪りません。



 現在の国内の自動車販売は外車、国産含めそんなところはほとんどないし、ユーザーも賢くなってきています。

 前回の記事では「壊れる」という話をしましたが、以前に比べたら今現状での外車メーカーも日本市場をよく理解し、サポートの重要性も把握してきたと思います。保障制度も充実してきています。車はその寿命を終えるまでユーザーが納得しないといけません。それには、何を差し置いてもサポートです。

 輸入車の扱いは国内に入る際に、法令に合うようにさまざまな改造が義務づけられています。それはナンバーが取得できる最低限のことです。

 老舗のヤナセ、フォルクスワーゲンなど今信頼のある輸入車などはそれらの改造に加え、日本の湿度、気温、炎天下の大渋滞などでの頻繁なゴーストップも余裕で耐えられるようになっています。これらの日本の交通事情に合うように社内で改造、改善策をマニュアル化し、合格ラインを独自に設定しているのです。

 二輪もハーレーダビッドソンジャパンが出来てから飛躍的によくなりました。これらのメーカーが全国にわたるサポートサービスも展開をしているのは、メーカー自身が売った後のことにも真剣に取り組んでいるということです。

 過去、立て続けにリコール隠しを出しまくったM自動車は一時倒産の噂も立ちましたが、最近徐々に信頼を取り戻しつつあります。しかし少なくとも私は一生、M社の車に乗る事も無ければ人に薦めることもないでしょう。

 当時、一連のリコール問題を社内の製作担当、技術者、販売会社たちはM社経営陣に対して怒り、悔し涙を流していたに違いありません。情けない話です。自動車業界は売るだけではだめです。 会社自体が乗用車販売、サポートに対し本気にならないとダメなのです。

 最近は本当にどの会社もそういう点はよくなりました。今売られている全ての車の車検証入れに、サービス網のページがあるはずです。

 一番大事なのはここ。

 ちなみに私のレクサスは運転しながら24時間ボタンひとつでメーカーのオーナーズデスクに直通し、すべてのサポート、サービスを受けることができます。サービスで使用する工具は名門スナップオン製でレクサス刻印の入った非売品だそうです。それをオイルのにじみ一つ無い室内ピットで整備します。一流のサービスをやっていこうという考えが一流品の選択、環境になったということでしょう。

 いつかこの愛車を手放す時が来るのでしょうが、コレだけのサポートであればクルマへの愛情も増してくるもの。今まで何度と無く乗り換えてきましたが、この一台は今まで以上に名残惜しくなることでしょう。


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