遷都1300年の春、奈良にて極上のフレンチをいただく

 平城遷都1300年の今年、先日訪れた上海万博に、奈良から国宝「鑑真和上坐像」が出展された後、揚州へ。一方、奈良で開催されている「大遣唐使展」にはアメリカ・ボストン美術館から平安時代の傑作「吉備大臣入唐絵巻」が里帰り。と、平城の都には国の宝が往来しているような。

 若草山が緑なす奈良は、古都の落ち着きとのびやかさを備えています。奈良といえば茶粥が有名で、ひなびたイメージがあると思いますが、ご神体の鹿たちが寄ってくる奈良公園の中に、極上のフレンチレストランを備えた結婚式場があるということで、古都とフレンチの妙を味わいに行って来ました。


建物のすぐそばまでやって来るご神体の鹿たち

 近鉄奈良駅から車で5分ほど、広大な奈良公園のまん中に“ザ・ヒルトップテラス奈良”があります。緑の中に立つ堂々とした石組みのエントランスは、シャトーを思わせる贅沢さがあって、華やかな門出に相応しいリゾートゲストハウスです。それでいて周りの和の世界との調和も考えられた色調のインテリアには和みを感じます。

奈良公園の緑の中に石組みの重厚なエントランスが映えて

 さて、石段を上がるとフレンチレストラン“ラ・テラス”があります。若草山をまん前に望む緑陰のテラス席は、奈良というより南仏にいるかのような錯覚をおこしそう。ガラス張りの館内席もさんさんと日が注ぎます。

若草山を望む緑陰の席にて

陽光注ぐガラス張りの館内席

 この素晴らしいロケーションに加えて、ザ・リッツカールトン大阪から来た総料理長、シェフによるお昼の饗宴は、旬の素材の味を生かす極上のヌーボー・フレンチでした。ホワイトアスパラを使ったとろけるようなブラマンジェの周りを目にも楽しいお野菜が囲む前菜から始まって、ホタルイカと小松菜を添えた甘鯛のポワレ、フォアグラと鴨には煮セロリのグラタンがサイドにつき、それぞれ深い味わいながらアクセントのある食感にセンスが感じられました。(http://www.hilltopterrace.co.jp/index.html 奈良市春日野町98-1 TEL:0120-27-0555)

目も舌も楽しい色鮮やかなサラダ

鴨にとフォアグラ、煮セロリのグラタンを添えて

 食事の後に、オーナーと一緒に二月堂までゆっくり散策。東大寺も裏手からアプローチするのが地元流とかで、確かに人の流れにもまれて正面の境内から近づくのとは異なる静かな雰囲気が味わえます。

二月堂より裏の道から東大寺へ

 
 最後は、これまた若草山を一望できるオーナーのご自宅を拝見しました。設計は日本のモダニズム建築の巨匠坂倉準三。今も新鮮さを感じるモダンさの中に、奈良と調和するような色調の内装が居心地のよい邸宅です。

バリ島の石を特注でくり抜いた造った絶景の露天風呂

 驚いたのはお庭の露天の石風呂と東屋。石風呂はなんとバリ島で買った石をくりぬいて湯船にしたもの。東屋はお着替えや休憩だけでなく、お泊まりできる客室としても使えます。こうしたオーナーのこだわりや遊び心が、奈良の地にあった古いホテルを、華燭の典にふさわしいリゾートゲストハウスやフレンチレストランとして再生させたのだと感じいった一日でありました。

今でもモダンさが生きる設計に洒落たインテリアのリビング

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