2年目で1億円になった
痛い目に遭った磯貝氏だったが、「利息が毎日入ってくる」というFXのメリットに「そんなうまい話は…」と疑いながらも、ゼロ金利の円を売って外貨を買うことで外貨金利をほぼ丸ごと受け取ることが可能となる、という営業マンの言葉が妙に説得力があった。そして、この言葉は響いた。
「普通の人が億万長者になるのも夢じゃないんですよ」
この言葉がウソではないことがわかる時が、すぐに訪れることになる。2004年から2007年までの間の円安進行が、この時期のFX投資家たちを大儲けさせたと言っても過言ではない。ゼロ金利の円を売って外貨を買っていれば、外貨の金利はほぼそのまま受け取ることができるような状況だった。もっと簡単に言えば、買って何もしなくてもいい。ただ持っていれば、毎日スワップポイントが運ばれてくるような状況だったのだ。
2004年に100万円で口座を開設した磯貝氏。スタートからわずか1カ月で資金は3倍になっていた。「今度こそいけるような気がしました」。そうした確信が心に広がっていたのか、「金属の市況も良かった」こともあり、本業にも精を出してその儲けをFXにどんどん追加投入していった。
すでに2年目の2005年には、大台1億円を突破していた。