FXで資産10億円達成と、脱税で地獄を見た元ヒルズ族

手数料だけで1億円を使った

 「いい時で1日のスワップが200万円以上は入ってきていました」

 これだけのスワップポイントを得るためには、多くの証拠金を積まなければならない。いったいどれだけの枚数を買っていたのだろう? しかも現在のような400倍というような途方もないレバレッジは当時にはなかった。磯貝氏はせいぜい10倍から数十倍程度だったが、1回でポンドを1000枚買うなど、とにかく大量の資金を投入していた。

 「磯貝さんは手数料だけで1億円はいっていたのではないでしょうか。それだけの量の取引を約定させようと思っても、当時の約定能力は、今と比べ物にならないので、磯貝さんの注文はたいへんでした。カバー先の銀行ディーラーに電話してもさばききれないので、複数の銀行に電話を掛けまくってやっと約定していました」

 当時の磯貝氏を知る先物会社の関係者は、このように語った。1000枚買うということは、1円動けば1000万円の利益が出ることになる。また一方で、為替が逆に1円動けば1000万円の損失が出ることになる。

 「直接お金に触れていないので、あまり現実味がなかったというか、損が出ても『いつの間に』『仕方がない』と思っていたりして、実感はなかったですね。でもポンドの買いポジションは1億ポンドで、当時の円換算で約250億円。日本一ポンド/円を持つ男と言われていたくらいです」

 2007年についに10億円に到達。この時、すでに埼玉から六本木ヒルズに居を移していた。

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