台湾随一の大富豪、郭台銘氏(かくていめい)はパソコンのOEM生産でも知られる台湾大手EMS(電子機器の受託製造サービス企業)、鴻海集団の代表取締役。郭氏は昨年11月11日に10億台湾元(約32億円)の大豪邸を手に入れた。これは台湾史上最大の不動産取引となったのだが、実は妻の35歳の誕生日プレゼントだった。
郭台銘氏が購入した豪邸は、台北県淡水鎮にあり、設計は台湾の有名建築士によるもの。41階建ての高層マンションで高さは180メートルで、台湾第2位の高さを誇る(第一位は189メートル)。各フロアは約1500平方メートル、台湾の豪華マンションの中では最大の広さだ。
淡水は言わずと知れた景勝地。このマンションの最大の売りは、その淡水の緑豊かな観音山と穏やかな淡水河の流れを一望できるところにある。さらに、166戸のうち25戸には約70平方メートルのプールが設置されており、別称は“立体別荘”だ。
鴻海集団のスポークスマンは、マンションの購入について「まだ確定ではない」としているが、郭台銘は何度も会議を開き、注文通りに構造の手直しをして最終決定したとしている。地元の仲介業者は「郭社長のおかげで、淡水景観豪邸の価格は値上がりするだろう」と話す。計画では、ワンフロア3億台湾元(約10億円)での販売予定で、郭台銘は39階から41階まで一気に3フロアを購入した。41階は妻と娘と暮らす家として。また。39、40階は鴻海集団の招待所として使用されることになる。
一般的な4人家族が120平方メートルの家に暮らすとすると、郭台銘の3フロアには47家が暮らせる計算だ。また35か所の車庫を購入し、自身の車を停めるだけでなく訪問客用にも使われる。