低年齢のスイス留学で得られるもの

 「低年齢」「スイス」「ボーディングスクール」この3つのキーワードがそろったとき、他の条件で留学するのとは違う、特別の成果が得られるのをご存知でしょうか。

 桜と楓がガレンに入学したとき、ブリティッシュクラス2学年分の生徒の合計人数は11名でした。これら11名の生徒の母語は、英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・インド(ヒンディー)語・スペイン語・日本語の、7ヶ国語に及びます。

 でも、これだけなら、世界中の(そして日本国内の)インターナショナルスクールでも珍しくはなく、「うちの学校はもっと多国籍・多言語ですよ」というお声があがるかもしれませんね。それに、学校の授業は前述のように、英語とフランス語だけで行われていて、それ以外の言語の介在はありません。

 しかし、ガレンのすごいところは、これがボーディングスクールだという点です。英語もフランス語も最初はほとんどできない状態でやってきた、この年齢の小さい子どもばかりが、24時間ずっと一緒に生活するのです。大きい生徒なら、言葉が通じない最初のうちは黙りこくってやり過ごしてしまう場面でも、臆することを知らない小さい子どもは黙っていません。日常のさまざまなシーンで何ヶ国語もの母語が声高に飛び交います。しかも自国民であるスイス人の生徒は非常に少なく、どの子もみんな、お客様扱いにならずに対等の立場で、お互いを認め合いながらそれぞれに個性を発揮し主張します。

 こんなボーディングスクールが、スイス以外に存在するでしょうか?

 イギリスにもアメリカにもオーストラリアにもカナダにもフランスにも、ボーディングスクールはありますけれど、たいていはネイティブスピーカーの自国民の生徒がたくさんいるところへ、英語やフランス語が第二言語である少人数の外国人留学生が、お客様として迎えられる(加えてもらう)形ですよね。

 このように、ただでさえスイスのボーディングスクールは、自国民の生徒の影響力が低く、どこの国から来た生徒にとっても、対等の友人関係を結びやすいというメリットがあるところへ、さらに、知識の吸収力や環境への適応力が高く他人に対して物怖じせずに関われる低年齢という特徴が重なると、「この年齢だからこそ」「スイスだからこそ」「ボーディングスクールだからこそ」独自に実現する留学環境が生まれるのだと、私は実感しています。たとえスイスのボーディングスクールであっても、もっと年齢の大きい生徒ばかりがいる学校だとか、或いは、小さい生徒が対象でもボーディングスクールでなく通学生ばかりのインターナショナルスクールであったならば、状況はかなり異なるのではないかと推察しています。

 さまざまな言語的・文化的背景を持つ多国籍の小さい生徒が、1日24時間ずっと寝食をともにして一緒に生活する中で、子どもたちが獲得する能力は、とてつもなく広い可能性を秘めています。具体的には次に挙げるようなものです。

【1】異なる年齢・言語・文化の人々と、即座に交流できる能力(コミュニケーション能力のみならず、自信や度胸も含む)。

【2】世界語としての英語能力、プラスアルファとしての第二・第三外国語能力(フランス語・ドイツ語・ロシア語など)。

【3】いつでもどこでも気後れせずそつなく振る舞える社会的素養。

【4】「同じ釜の飯」の仲間同士から、将来、多彩な人脈につながりうる人間関係。

【5】グローバルに通用する上級学校に進学できる学力(或いは、そこに至るまでの、日々の勉学習慣とスキル)。

 「それでもやはり、5歳や6歳で我が子を出せる勇気はないわ」とおっしゃる方のために、もう少し大きい生徒が対象の近隣のボーディングスクールも、いくつかご紹介しておきましょう。これらの学校は、小学校高学年~中学生くらいからでも入学することが可能です。

 ● Aiglon Collage(http://www.aiglon.ch/)
 ● Beau-Soleil Collage(http://www.beausoleil.ch/)
 ● Institut Monte Rosa(http://www.monterosa.ch/)


ラ・ガレンの2学年11名の生徒たち

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