「台湾の松下幸之助」の相続税は約300億円以上に

 王永慶氏は2008年10月、視察先のアメリカ・ニュージャーシー州の病院で心筋梗塞のため92歳で亡くなった。

 台北市の税務部門は、王氏の相続税の審査を行い、遺産総額は600億台湾元あまり(約1700億円)と査定した。王家が申告した王氏の遺産は、株券が8割を占め、およそ500億台湾元。そのほか王氏名義の土地、ゴルフ会員権など。免税措置をした後でも、課税対象額は正味200億台湾元(約600億円)にのぼり、最高50%の相続税率を適応すると相続税は100億台湾元(約300億円)あまりになった。

 台湾では去年、相続税の税率は10%に引き下げされたが、王永慶氏が亡くなったのはその前にあたるため、古い税率の50%が適用される。王氏が台湾トップの大富豪である上に、現在の相続税率が10%と大幅に下がったことを考えると、将来もこの額は超えることはほぼ考えられない。

 王永慶氏は、海外にさらに2000億台湾元の遺産があるとされ、台湾当局は「調査は難しい」としながらも、台湾では相続税の査定期間は5年あるため、期間内に海外資産も調べを進める必要があるとしている。

 関係者によると、台北市税務部門は近く王永慶氏の相続人に請求予定で、税金は通知後2ヶ月以内に納めなくてはならない。
 
 今年、台湾当局が想定している相続税は総額62億台湾元(約186億円)。王家の納税はその2年分相当となる計算だ。

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